暗号資産

2026.01.26 10:00

ビットコイン・暗号資産「5つのトレンド」予測、トークン化やAIエージェント型コマースは進むか

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(2)資産をブロックチェーン上でデジタル化した、「トークン化資産」が増加

株式や債券、不動産といった資産をブロックチェーン上でデジタル化した「トークン化資産」が、世界の株式・債券市場全体に占める割合は、今なお約0.01%でしかない。だが、勢いは確実に増している。SECが先月、年間3500兆ドル(約54京2500兆円)を超える証券取引を処理する米国の証券決済機関DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)に対し、トークン化サービスの提供を承認したことは、その象徴的事例だ。

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「この決定によって、伝統的な金融が暗号資産のレールに乗る道筋が見えてきた。これこそが金融の未来だ」と、21Sharesのスナイダーは語る。

Galaxy Digitalで調査部門を率いるアレックス・ソーンは、SECが、ノーアクションレター(当局が一定の条件下で法執行措置を取らないと事前に示す仕組み)、アトキンスSEC委員長が提唱したイノベーション免除(暗号資産企業に求められる登録要件を条件付きで免除する制度)といった枠組みを通じて、分散型金融(DeFi)における「トークン化証券の利用拡大に向けた適用除外措置」を打ち出す可能性が高いと予測する。正式なルール作りの初期段階は、2026年後半に始まる見通しだという。

Galaxyのサッド・ピナキエヴィチは、「大手銀行や証券会社のいずれかが、トークン化された株式の預け入れを受け入れ、従来の有価証券と完全に同等のものとして扱い始める可能性が高い」とみている。

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(3)ステーブルコイン市場における、標準化された運用ルールの整備

ステーブルコイン市場は、2025年に2060億ドル(約3.2兆円)から3000億ドル(約4.7兆円)超へと拡大した。成長の大きな要因となったのがGENIUS法の成立で、決済企業のストライプや金融サービス企業のファイサーブ、後払い決済(BNPL)大手のクラーナといったフィンテック大手の参入につながった。現在、ドル建てステーブルコインを発行する事業体は10社を超えている。

暗号資産と金融分野に特化したベンチャーキャピタル(VC)のVanEck Venturesのゼネラルパートナー、フアン・ロペスは、「誰もがステーブルコインを発行したがっている。資金の流れを管理し、イノベーションを起こしたいからだ」と語る。「そして、誰もが受け取り側にもなりたがる。顧客が使いたい決済手段を受け入れる必要があるし、何より、そこから収益が生まれるからだ」。

ロペスが次の課題として挙げるのが、複数のプラットフォームやブロックチェーンをまたいで、決済を滞りなく振り分けるための仕組みの「オーケストレーション」の構築だ。「ここで最も重要なイノベーションは、カウンターパーティーリスクを取り除くことだ。発行体、流通事業者、消費者といったすべての参加者が、相手先のリスクなしに、デジタルドルを実際の法定通貨のドルに確実に、あるいは、ほぼ確実に換金できると合意できる共通の場が必要になる」と彼は指摘した。

そのためには、「既存決済システムに匹敵する標準化された運用ルールの整備」が欠かせないと、ロペスは説明する。「Visaにはルールブックがある。ACHにもルールブックがある。SWIFTにもルールブックがある。つまり、ネットワークに接続するには、相手先リスクを低減・排除するための一定の基準を満たす必要があるということだ。取引のスクリーニング方法や、取引の種類ごとに求められる基準に沿うことが求められる」。

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翻訳=上田裕資

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