北米

2026.01.21 12:00

トランプの「創造性」に満ちたグリーンランドへの野心 代償を払うのは米国の納税者だ

ドナルド・トランプ米大統領が2026年1月20日にトゥルース・ソーシャルに投稿した、デンマーク自治領グリーンランドに自身が米国旗を立てる姿の画像を映したスマートフォン画面。画像には「グリーンランド、米国領・2026年設立」と書かれた看板とJ・D・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官の姿もある(Cheng Xin/Getty Images)

現在、NATO加盟国は32カ国。デンマークのほかカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、英国などが含まれ、このうちドイツ以外は1949年の創設メンバーだ。ドイツは1955年に西ドイツとして加盟を果たした。

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NATOブロックは全世界の安定のために極めて重要な枠組みであり、米国にとっても、米国が抱える世界規模の国益や国際貿易にとっても、それは例外ではない。もちろん、NATOに何らかの混乱が生じたところで必ずしも米国と米国民に災いをもたらすとは限らない。だが、リスクは大幅に増大し、最終的にその代償を支払うことになるのは、あらゆる形態の納税者──所得税以外にも収入の相当額を税金として納めている数多の米国民──である。

トランプが自ら認めた「心理的欲求」の代償

ニューヨーク・タイムズのインタビューで、なぜグリーンランドの所有権が重要なのかと問われたトランプは、こう答えている。「それが成功のために心理的に必要なことだと私が感じているからだ。所有権は、リースや条約では得られないものを与えてくれると思う。ただ書類に署名するだけでは手に入らないものや要素を所有権は与えてくれ、基盤を持つことができるのだ」

続く質問で「心理的に重要だというのは、あなた自身にとってか、米国にとってか?」と追及を受けると、トランプは「私にとって心理的に重要だ。他の大統領は違う考えを持つかもしれないが、これまでのところ、私はすべてにおいて正しい」と答えた。

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実際、トランプはグリーンランドに対する自身の姿勢を、ノーベル平和賞を授与されなかった事実と結びつけている。ロイター通信が報じたところによると、トランプはノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相に宛てた書簡の中で次のように主張した。

「『8つ以上の戦争を止めた功績』のある私にノーベル平和賞を与えないと貴国が決めた以上、私はもはや純粋に平和のみを考える義務を感じていない。むろん平和は常に最優先されるが、今や米国にとって何が有益であり適切なのかを考えることができる」

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翻訳・編集=荻原藤緒

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