アルミニウム価格は1ポンド1.43ドルと3年ぶりの高値を更新したが、価格が高騰している銅の代替品としての関心が集まっていることから、今後さらに上昇する可能性がある。
両金属の需要は電力需要の急増によって押し上げられている。銅は優れた導電性から最も人気が高いが、過去5年間で価格は170%上昇し1ポンド5.90ドルに達したことで、同じく優れた導電性を有するアルミニウムへの注目が高まっている。
明確な基準は存在しないものの、業界では長らく、アルミニウムと銅の価格比が3.5~4の間にある場合、アルミニウムが銅の代替品として魅力的になると認識されてきた。現在の価格比は4.1だ。
電気自動車(EV)やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の急速な普及や人工知能(AI)データセンターの建設ラッシュなど、あらゆるものの電化が進む中、両金属とも需給基盤が改善している。電化では銅があらゆる場面で好まれているが、送電線など一部の用途ではアルミニウムもほぼ同等の性能を発揮し、価格も安いため、銅の代替品として活用されている。
アルミニウムは供給不足に陥るとの見方も
スイス金融大手UBSは19日、アルミニウムの基礎的条件の改善が価格上昇を支えていると報告した。米金融大手モルガン・スタンレーも、銅とアルミニウムの価格比が10年平均を大幅に上回り、2021年初頭以来の最高水準にあると伝えた。両金属の価格比は同年初頭に4.3で最大に開いたが、翌年にはウクライナ侵攻とアルミニウム価格の急騰を受けて2.7まで縮小していた。
米金融大手シティグループは、アルミニウムについて構造的に強気であるとの見通しを示し、年央までに1.54ドルに達すると予測。銅価格は6.35ドルになるとみており、両者の価格比は4.1で、現在の比率と一致する。
モルガン・スタンレーは、銅の供給混乱による米国内の備蓄増加と米国外での在庫逼迫(ひっぱく)が価格を押し上げた最近の状況を踏まえ、高価な銅に代わる代替品を求める買い手が増えることで、アルミニウム価格が上昇する可能性があるとの見解を示した。「銅をアルミニウムで置き換える場合、価格比が3.5~4を超えると経済的に魅力的になる。典型的な用途としては、暖房・空調設備、送電線、EV用高圧ケーブルなどが挙げられる」
過去数年にわたり供給過剰状態にあったアルミニウムは、需要の増加と供給逼迫に加え、新たな供給源の開発がほとんど進んでいないことから、今年後半から供給不足に転じると予想されている。モルガン・スタンレーは、低コストの石炭火力発電が豊富なインドネシアを除く世界全体で、アルミニウムの新たな供給源を求める動きが拡大していると説明した。
アルミニウムの価格上昇から恩恵を受けている企業
ノルウェーのアルミニウム大手ノルスクハイドロは、銀行が最も推奨するアルミニウム投資銘柄であり、今年の予想基礎利益の80%がアルミニウムとアルミニウム押出製品から生み出されると見込まれている。
オーストラリアの鉱山企業であるサウス32とリオティントも、アルミニウムと銅の価格上昇の恩恵を受けている。サウス32の収益の70%はアルミニウムの価値連鎖から生み出されている。



