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2026.01.26 08:30

インパクトIPOで医療界変革 ユカリア三沢英生が語る時価総額50兆円の未来

三沢英生|ユカリア代表取締役社長

三沢英生|ユカリア代表取締役社長

現在発売中のForbes JAPAN1月23日発売号の第二特集は、「新たな豊かさ」を生み出し、持続可能な経済成長の新主役とも言える「インパクト・エコノミー」をテーマにした「IMPACT THE NEW CHAPTER Vo.2」。今回、フォーカスするのは、社会課題の解決を成長のエンジンととらえ、持続可能な社会の実現を目指す「インパクトスタートアップ」だ。インパクトスタートアップの「1年間の経営におけるチャレンジ」を表彰する「インパクト・チャレンジ・オブ・イヤー」という新企画を中心に、金融・資本市場、大企業、スタートアップ、官、地域で拡張し、「新章」を歩みはじめた日本のインパクト・エコノミーの新潮流を読み解いていく。

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本特集のスペシャルインタビューは、2024年12月にインパクトIPOをし、医療、介護業界に変革を起こしているユカリア。米・ヒポクラティックAIとの資本業務提携なども行い、「強烈な成長」に挑んでいる。


「私たちにはどうしてもつくりたい世界観があります。そのためにインパクトの手法がフィットしていた。インパクトIPO(新規株式公開)は目的ではなく手段です」

2024年12月12日、ユカリアは東証グロース市場に上場した。その際、4社による長期保有を前提とするコーナーストーン投資が実施され、うち3社はインパクト投資家だった。いわゆるインパクトIPOにあたるが、同社を率いる三沢英生は身長187cmの巨体でもとどめきれないエネルギーを放出するかのように、背景にある思いを語り始めた。

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同社が目指す世界観とは何か──。現在、全国の病院の7割以上は赤字で、多くの地域で医療が危機に瀕している。この社会問題を解決するために掲げたビジョンが「ヘルスケアの産業化」だ。「日本の医師の患者への真摯な姿勢や志の高さは世界に誇れます。ただ、医師は必ずしも経営に精通しているわけではない。その結果、経営でつまずく病院が少なくありません。ユカリアが病院経営サポートや介護施設運営を通じて、病院、介護施設の経営を安定化させれば、医療・介護従事者の賃金や働きがいが向上し、患者や要介護者の満足度も高まる。この三方良しが私たちの目指す世界観です」(三沢)。

同社が経営支援した病院の具体的事例をひとつ紹介すると次の通りだ。ある地域は、緊急性が高い患者がかかる急性期病院が多く、在宅療養中の患者や急性期病院から転院する患者の入院先となる後方病院が手薄になっていた。病床のバランスが崩れると、急性期病院は過当競争で経営が悪化する一方、術後の患者は居場所がなくなってしまう。実際、某病院は院長が急性期にこだわったために稼働率が落ち込んで赤字経営に。融資していた地銀もお手上げで、ユカリアに経営支援の依頼がきた。「私たちは病院経営をほぼすべて内製化できます。このケースでは、ユカリア所属の医師や看護師を送って2カ月で後方病院に替えました。周りは急性期病院が多いので、後方病院化したことで稼働率は100%に。もちろん黒字化し、地域に必要な病院として喜ばれています」人材面だけではない。 医療資材の調達、財務、DX推進など、病院経営に必要な機能を全方位で支援できるのがユカリアの強みだ。

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文=村上 敬 写真=ヤン・ブース

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