400年以上前に最初に検出された、進化の最終段階にある恒星「ミラ型変光星」は長年、職業的な研究者の大半がその観測に関心と時間を注げない状況にある一方、多数のアマチュア天文家が探索と追跡調査のための観測を行い、ミラ型星を新たに発見し、その光度の変化を記録し続けている。
ミラ型変光星は、初期質量が太陽の2~4倍と考えられており、ずっと前に水素燃焼段階の主系列から離れ、恒星の寿命の最終段階となる赤色巨星期に突入している。
それでも、ミラ型星の明るさの変化(変光)の正確な性質は依然として不明なままだ。だが、天文学者は今もなお、その謎の解明に期待を寄せている。この目的のために、米ローウェル天文台の天文学者ジェラルド・ファンベルと研究チームは天文学誌Galaxiesに掲載された論文で、この奇妙な恒星106個に関する最新のデータセットを詳細に説明している。
論文の主執筆者で、ローウェル天文台のサイエンスディレクターを務めるファンベルは電話取材に応じ、今回の観測記録データセットは米パロマー天文台にあるパロマー試験干渉計(PTI)で1998~2008年に収集されたものだと語った。また最近は、天文台が位置するマーズヒルに設置した小型の望遠鏡でミラ型変光星の観測を行っているという。
ミラ型星が膨張と収縮(脈動)を繰り返す段階になると、大量の質量を放出するようになる。
ファンベルによると、年間で太陽質量の約100万分の1を失う。この段階が100万年続くと、この間にほぼ太陽1個分の質量を放出することになるという。
ラテン語で「不思議」を意味する名前を持つ変光星ミラは1596年、ドイツの天文学者ダーヴィト・ファブリツィウスが初めて発見した。望遠鏡が発明される何年も前のことだ。ファブリツィウスは当初、約424光年の距離にあるこのくじら座オミクロン星が単なる新星だと考えた。新星は通常、短時間の一時的な増光を1回だけ示す。
だが、約40年におよぶ観測の結果、この奇妙な星は光度変化と周期性(繰り返しのパターン)の両方を示すことが突き止められた。(訳注:くじら座ミラは2026年1月末~2月に極大光度、約3等になると予測されている)
寿命における最後の数百万年の段階にある恒星を見ているのだと、ファンベルは説明する。
ミラ型星の観測のカギは、恒星の進化でわずか100万年くらいしか留まらないこのごく短い段階にある星を捕捉することだ。従って、ミラ型星の新発見のために熱心に活動するアマチュア天文家の助けがなければ、ファンベルと研究チームのような職業的天文学者が変光星に関する知識を現在ほど蓄積できなかっただろう。



