ウクライナの兵士がこの元旦、戦場で砲弾の破片を直接受けながらも動作し続けたという、深刻な損傷を負ったノートパソコンの写真を自らのXのアカウントで公開し、再生回数84万回超(1月15日時点)と大きな注目を集めている。この事実は戦争の現実と一般向けテクノロジーの予想外の耐久性の両方を浮き彫りにした。
「Tom’s Hardware」の記事によると、この端末は2020年発売のApple製MacBook Air(M1)。ウクライナで実戦地域の近くにいた際、爆発した砲弾の破片が直撃したという。X(旧Twitter)でユーザー名「@lanevychs」が投稿した写真には、粉々に割れた画面とディスプレイを貫通した穴が確認できるほか、「K」のキーだけが完全に失われたキーボードが写っている。それでもこのMacBook Airは電源が入り、損傷した状態ながら映像を表示し続けている。
Який рівень балістичного захисту у MacBook Air на M1?
— Лаꑭевич (@lanevychs) January 1, 2026
Бо цей витримав уламок від стволки 🫣 pic.twitter.com/IWofyq1H9w
兵士は「ラップトップは弾道防護装備と呼べるか?」と、戦場特有のブラックユーモアが匂う冗談めかした口調で投稿している。
続く投稿では、このノートパソコンが過去にも損傷を受けており、以前FPVドローンの攻撃を受けた後、おそらく内部の主要部品を指して「マトリックス」を交換したとも説明している。このMacBook Airが極めて危険な環境で長期間使われてきたことを示している。
M1搭載MacBook Airは、ファンを持たない薄型設計で知られており、厚さは最薄部で約0.4cm、最も厚い部分でも約1.6cmしかない。筐体には、強度・軽さ・放熱性のバランスを取ったアルミニウム合金のユニボディ構造が採用されている。本来は日常使用での耐久性を想定した素材だが、今回のケースでは、破片の勢いを弱め、完全に貫通するのを防ぐ一助になった可能性がある。
とはいえ、損傷は深刻だ。衝突した部分の画面は大きく割れており、所有者によれば修理費用は新品を買うのとほぼ同額になるという。現代の薄型ノートPCは部品が高度に一体化されているため、戦場での修理は現実的ではなく、コストも高くつく。
この出来事が多くの人の心を打ったのは、予想外の形で戦争を身近に感じさせたからだ。ノートパソコンやスマートフォンなどの個人用電子機器は、戦場においても通信、位置確認、記録のために欠かせない道具となっている。それが直撃を受けても生き残ったという事実は、兵士たちが直面する危険と、最前線で果たす日常テクノロジーの役割を強く印象づける。
一方で、注意を促す声も多い。今回このMacBookが破片に耐えたからといって、防護装備として使えるわけでは決してない。一般向け電子機器は、銃弾や爆発に対する信頼できる防御手段ではない。それでもこのエピソードは、銃火の下で生きる現実と、混沌の中で思わぬ形で発揮された工学技術の一端を示す、強烈な証言となっている。
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」からの翻訳である)



