「1年目はベースラインだった」とコナントは説明した。「2年目は改善が必要だった。3年目には、進歩がない人に転職を迫らなければならなかった」
コナントは、鼓舞することでパフォーマンスの問題から脱したのではない。パフォーマンスをやめさせたのだ。9年目には、キャンベルの上位350人のリーダーのエンゲージメント比率は77対1に達した。積極的に仕事に取り組まない従業員1人に対し、注力している従業員が77人いる状態だ。リーダー層のエンゲージメント比率としてはギャラップがこれまで測定した中で最も高かった。キャンベルの株主総利回りは6年間で64%に達し、同期間のS&P500の利回り(13%)の約5倍だった。
しかし私がこのケーススタディをリーダーたちに共有すると、最も多く見られる反応は「コナントがどうやって達成したのかを知りたい」ではない。「自分たちにはそれができない」という抵抗だ。
リーダーが抵抗する理由
私はコナントに、リーダーたちが反発したとき、つまり、このやり方は懲罰的、あるいは不公平に感じられると言ったときに何が起きたのかを聞いた。
「自発的に社を去った人もいた」とコナントは言った。「彼らは私が狂っていると思った。大きな危機が進行中なのに、私がくだらないことをしているように感じた人もいた」
これは私が繰り返し目にする抵抗のパターンだ。リーダーはカルチャーの変革を望むと言いながら、それを避けられないものにする仕組みを拒む。パーパスが重要だと言いながら、自分のチームがそれに取り組んでいるかどうかを自分の雇用と結びつけることを拒む。
私は、イノベーションと顧客第一主義を軸とした魅力的なパーパスを、2年かけて作り上げたCEOならびに経営チームと仕事をしたことがある。価値観はウェブサイト上では完璧に見えた。だが、その会社のリーダー会議で目にしたのは別のパターンだった。財務部門は投資回収期間が18カ月を超えるという理由で、顧客体験への投資を却下した。プロダクト部門は、四半期目標に到達しないという理由で、革新的な機能を潰した。人事は新たな商品でリスクを取った人ではなく、既存の事業を守ったリーダーを昇進させた。
私が見ているもの、つまり掲げたパーパスと正反対のことを彼らの仕組みが評価していることを指摘したとき、部屋は静まり返った。
仕事が不透明であれば、実際には機能不全が拡大する一方で、整合しているふりをすることができる。リーダーが透明性を嫌うのは、自分のパフォーマンスが白日の下にさらされてしまうからだ。カルチャーの問題を中間管理職や人事のせいにする方が、自分の仕事をカルチャーの改善と結びつけるより楽だ。
大半の組織は、永遠の曖昧さの中で動いている。カルチャーは重要なのか。私たちはそう思っている。リーダーが成果を出せなかったらどうなるのか。いずれわかる。おそらくコーチング、あるいは何もしない。
この曖昧さは快適さを守る。それを壊すには、古いパターンを不可能にするほどの具体的な衝撃が必要だ。
キャンベルの前にNabisco(ナビスコ)やGeneral Mills(ゼネラルミルズ)でも大きな変革を主導してきたコナントは、このパターンを熟知していた。カルチャーの取り組みが発表と説明責任の間で潰えるのを見てきた。キャンベルではその失敗を繰り返すことを拒んだ。


