メディア連携が進む一方、スポーツ賭博をめぐる規制が課題
実際、情報源としての予測市場の価値は、PolymarketとKalshiが既存メディアとの連携を進める中で、より高まりつつある。Polymarketは7日、ダウ・ジョーンズとの独占提携を発表し、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やマーケットウォッチ(MarketWatch)など同社オンライン媒体にPolymarketのデータが表示されることになった。Kalshiは2025年12月、CNNおよびCNBCと提携し、同社指標を生放送で表示すると発表した。
ハンソンを含む業界の専門家は、以前から「予測市場がニュースメディアのような既存の情報機関を揺さぶる存在になる」と考えてきた。暗号資産取引所コインベースの創業者ブライアン・アームストロングも、2025年2月のCNBCのインタビューで、予測市場を「ニューヨーク・タイムズの代替になり得るものだ」と語っていた。
事情に詳しい関係者によると、コプラン自身もPolymarket最大の競合はCNNだと見なしていたという。ただ、最近のフォーブスのインタビューで彼は、自社が従来型メディアと競合する存在ではなく、補完的な役割を果たすものだと位置づけ直していた。「Polymarketは、現代の教養ある個人にとって、ニュースを理解するための“情報のパレット”の一部になった」と、コプランは2025年10月に語った。
予測市場における取引の約90%は、スポーツの試合結果
もっとも現実を見れば、予測市場における取引の約90%は、政治経済や時事問題ではなく、スポーツの試合結果に集中している。これを背景に、スポーツ予測市場を賭博として位置づけ、ブックメーカーと同様に規制・課税しようとする州レベルの訴訟が相次いでいる。弁護士のマリシェフによれば、州政府は多額の税収を失う可能性があるため、今後も予測市場を法廷に持ち込む動きを続ける見通しという。
インサイダー取引が奨励される賭博に、人々は参加し続けるだろうか?
予測市場側は、連邦政府の認可を受けた取引所で、正当な金融商品が取引されているという主張をもとに、これら訴訟に対抗してきた。ただし、ギャンブル業界アナリストのダスティン・ゴウカーは、予測市場の契約がこの法的区分を超える、あるいは曖昧にする存在だという議論が広がれば、規制が複雑化しかねないと指摘する。
インサイダー取引をどう扱うかをめぐり、予測市場支持者の間でも見解は分かれている。予測市場は今、その方向性が問われる局面にある。ゴウカーは、「インサイダー取引は、確かに情報をより早くもたらすかもしれない。だが、それが奨励される賭博において、自分より多くの情報を持つ相手がいると分かっているうえで、人々は参加し続けるだろうか?」と問いかけた。
※編注:本稿は情報提供のみを目的とするものであり、特定サービスの利用を推奨するものではありません。
・日本では、選挙・スポーツ・経済イベントを対象とする賭けを含め、オンライン上で行われる賭博行為は、刑法上の賭博罪などの対象となる犯罪です。海外で合法的に運営されているサービスでも、日本国内から接続して賭博を行えば賭博罪などに問われる可能性があります。運営者は賭博開帳図利罪など日本の刑法に問われ、刑事責任を負う可能性があります。また、広告・宣伝や決済に関与すると賭博幇助などに問われる場合があります。


