多くの企業が入社時に実施する新入社員研修。社会人としての基礎を学び、会社や同期との関係を築く重要な機会と位置づけられているが、その研修を「意味がなかった」と感じている若手社員が約3割に上ることが、最新の調査で明らかになった。
社員研修のポータルサイトKeySessionを運営する東邦メディアプランニングの調査で、「意味があった」と感じた約7割と、「意味がなかった」と答えた約3割を比較すると、若手社員が研修に求めているものが浮かび上がってくる。
実務への接続が満足度を左右
調査では、研修に「非常に意味があった」「まあまあ意味があった」と答えた約71%を「意味あり層」、「あまり意味がなかった」「全く意味がなかった」と答えた約29%を「意味なし層」として分析している。
意味あり層に理由を尋ねたところ、「実際の業務に活かせた」が43.7%で最多となった。次いで「ワークや発表などアウトプットの時間があった」が34.7%、「学びたい内容が含まれていた」が31.5%と続く。

注目すべきは、「非常に意味があった」層と「まあまあ意味があった」層の差分だ。「実際の業務に活かせた」では17ポイントの差があり、実務との接続こそが満足度を決定づける最大の要素であることが確認された。
一方、「アウトプットの時間があった」という項目は「まあまあ層」で42.0%と高いのに対し、「非常に層」では21.3%にとどまる。ワークなどのアウトプット機会は満足度を底上げする要素ではあるものの、実務につながらなければ「非常に満足」には到達しないことを示している。

交流不足が「全く意味なし」評価を生む
意味なし層に理由を尋ねると、「実際の業務に活かせなかった」が41.4%で最多だった。しかし、「全く意味がなかった」層と「あまり意味がなかった」層を比較すると、興味深い違いが浮かび上がる。

「同期や上司との交流がなかった」という項目では、全く意味なし層が39.3%であるのに対し、あまり意味なし層は10.2%。実に29.1ポイントもの差がある。実務への接続以前に、社内交流の欠如が研修の完全否定を引き起こすトリガーになっている可能性が高い。
また、「講師・トレーナーの説明がわかりづらかった」も全く意味なし層で17.9%と、あまり意味なし層の8.5%に比べて9.4ポイント高い。評価の完全否定を防ぐには、社内交流の機会を設けるとともに、説明力のある講師を起用する必要があるだろう。



