宇宙

2026.01.14 10:30

太陽系と大質量星、約440万年前にニアミス 局所星間雲に痕跡

地球が属する太陽系(画像中央)の周辺にある星間雲の分布図。太陽系の右下の黄色の点は太陽系に最も近い恒星系のケンタウルス座アルファ星系で、左下の青色の点はおおいぬ座のシリウス(NASA/Adler/U. Chicago/Wesleyan)

太陽系を取り囲んでいる局所バブル(泡)を描いた想像図。太陽系はほぼ中心近くに位置しており、泡の表面が光っている場所では星形成が起きている(Leah Hustak (STScI))
太陽系を取り囲んでいる局所バブル(泡)を描いた想像図。太陽系はほぼ中心近くに位置しており、泡の表面が光っている場所では星形成が起きている(Leah Hustak (STScI))

今回の研究を主導した米コロラド大学ボルダー校名誉教授のマイケル・シャルは「440万年前に遡って考えると、これら2つの星は現在のシリウスよりも4~6倍も明るく光っていただろう」と述べている。夜空で最も明るい恒星のシリウスは、おおいぬ座の中で一際目を引く星で、太陽からわずか8.7光年の距離にある。

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宇宙の謎を解く

天文学者は長年、太陽系周囲の局所星間雲の異常に高い電離度をめぐる謎に頭を悩ませてきた。すなわち、水素原子の約20%、ヘリウム原子の約40%が電離していたのだ。この謎を解決しようと、研究チームは宇宙の時間を巻き戻すモデルを用いて、近傍の恒星の運動と太陽が銀河系内を移動した経路を追跡した。その結果、電離の原因となった可能性のある放射源を少なくとも6つ特定した。白色矮星3つ、局所泡からの紫外線とX線の背景放射、そしておおいぬ座に属する2つの明るいB型星アダラとミルザムだ。「このような電離放射線からの保護を提供できる一連の雲の内部に太陽があるという事実は、今日の地球を生命生存可能にしている重要な要素の1つかもしれない」と、シャルは指摘している。

夜空に見える「おおいぬ座(Canis Major)」。最も明るい星がシリウスで、イプシロン星アダラは犬の後ろ足の付け根、ベータ星ミルザムは前足の先端に位置する(CC image by Till Credner via Wikimedia Commons)
夜空に見える「おおいぬ座(Canis Major)」。最も明るい星がシリウスで、イプシロン星アダラは犬の後ろ足の付け根、ベータ星ミルザムは前足の先端に位置する(CC image by Till Credner via Wikimedia Commons)

アダラとミルザムを今夜見るには

おおいぬ座のイプシロン星アダラとベータ星ミルザムは、どちらも北半球からは12月から肉眼で見ることができ、おおいぬ座アルファ星のシリウスの非常に近くに位置する。

北半球の冬の夜遅くに南東の空を眺めると見つかる。地平線近くにシリウスが明るく輝いている。おおいぬ座の星座の形をたどってみよう。おおいぬの後肢(地平線の最も近く)にアダラが、前肢(午前0時までの数時間はシリウスのほぼ右手)にミルザムがある。観測に望遠鏡は不要で、局所星間雲に関する今回の最新研究に登場する両星を直接目の当たりにすることができる。

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太陽系からそれぞれ430光年と500光年の距離にあって遠ざかっているアダラとミルザムは、表面温度がいまだに2万1000度と2万5000度に達し、太陽よりもはるかに高温の星だ。だが、どちらも恒星としての余命は幾ばくもない。今後数百万年以内に、超新星爆発を起こして一生を終えると考えられている。地球に害が及ぶほど近くはないが、近距離なので目も眩むような光景が繰り広げられる。「超新星がこれほど近距離で爆発すると、空が明るくなるだろう」と、シャルは説明する。「とても、とても明るくなるが、十分遠くに離れているので致命的になることはない」

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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