2025年に最も高いパフォーマンスを示したコモディティー(商品)は銀だった。1年で145%という驚異的な値上がり率を記録した。銀に限らず、貴金属は全体的に堅調なリターンをもたらしている。金、銀、プラチナ、パラジウムはいずれも、地政学的緊張の高まりや世界貿易の変化、エネルギー転換の加速といったいくつかの要因によって高騰した。
金は50回以上最高値を更新
金価格は2025年に64%上昇した。50回あまり最高値を更新し、年末には1トロイオンス4300ドル超で取引を終えた。金相場に関して昨年のような年を探そうとすれば、イラン革命と冷戦関連の出来事がニュースの見出しを席巻した1979年までさかのぼらないといけない。
何が金価格をここまで押し上げたのか。
ひとつには、利下げと米ドル安が挙げられる。2022年から2023年にかけて積極的に利上げした米連邦準備制度理事会(FRB)は、雇用が減速し、インフレが高止まりするなかで利下げに転じた。ご存じのとおり、歴史的に実質金利の低下は金にとって強力な追い風となってきた。
また、各国・地域の中央銀行、なかでも新興国の中央銀行が、外貨準備をドル以外に分散させるため引き続き金を積み増していることもある。国際的な金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、世界の中央銀行は2025年10月だけで計53トンの金を購入した。これは月ベースで同年それまでで最大となっている。
金はいまだに投資不足
金価格が昨年、記録的な上昇を演じたにもかかわらず、金鉱株はと言えば、S&P500種株価指数に比べると依然として過少投資なのが実情だ。2000年代を通じて金相場が上昇した(2000年に約290ドルだったのが2011年9月には高値の1900ドル超を付けた)時期には、NYSE Arca金鉱株インデックスはS&P500を大幅にアウトパフォームしていた(もっとも、これにはS&P500が金融危機からの回復途上にあったという事情もある)。ほどなくして金価格が下落に転じると、投資家たちは金鉱株も厄介払いするように手放した。金価格が4000ドルを超えた現在に至るまで、彼らは戻ってきていない。



