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2026.01.11 08:00

2025年に商品市場の主役に躍り出た銀、一段高へ「パーフェクトストーム」が吹く

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クリーンテック市場を支配する中国

2025年は、再生可能エネルギーにとって飛躍の年になった。英国のエネルギーシンクタンク、エンバーの分析によると、同年1〜9月に風力と太陽光は世界の電力供給の17.6%を占め、原子力や水力を含めた低炭素電源全体の割合は43%に高まった。

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また、史上初めて再生可能エネルギーによる発電量が石炭を上回った。

この変化の最大の原動力は中国である。エネルギーコンサルティング会社ウッド・マッケンジーによると、中国は昨年、風力発電と太陽光発電の設備容量を合計で約380ギガワットも追加した。米国と欧州によるこれらの電源の合計追加量を3倍以上上回る規模だ。中国では新車販売に占めるEVの割合もすでに約55%に達しており、西側諸国の15〜20%を引き離している。

精製銀と同様に、クリーンテクノロジーの世界的なサプライチェーン(供給網)でも中国が支配的な立場にある。中国は太陽電池セルの約80%、風力タービンの約70%、リチウム電池の約70%を生産している。米学術誌サイエンスは2025年の「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」に再生可能エネルギーを選出し、その際にこれらの数字に言及している。

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クリーンエネルギーに背を向ける米国

対照的なのが米国の動向だ。第2次ドナルド・トランプ政権はクリーンエネルギーへの連邦支援の大半を撤回し、国家安全保障上の懸念を理由に東海岸の洋上風力発電プロジェクトをほぼすべて停止させた。

連邦政府の再生可能エネルギー向け融資や補助金、税制優遇が削減された結果、超党派の環境政策団体E2によると2025年には11月末時点で大規模なクリーンエネルギープロジェクト52件が中止や閉鎖、縮小に追い込まれた。これによる経済損失はおよそ320億ドル(約5兆500億円)、新規雇用の喪失は4万人近くにのぼる。

延命する石炭

一方、石炭の需要は2025年にやや増加し、「石炭終焉説」は大幅に誇張されていたことがあらためて示された。国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の2025年の石炭需要は前年比4000万トン増の88億4500万トンと推定され、過去最高に達したとみられている。ただ、IEAの見通しでは石炭消費量は2026年以降、緩やかに減少していく方向になっている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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