2025年に打ち上げられたNASAのSPHEREx宇宙望遠鏡が、人の目に見えない「色」で宇宙を捉えた赤外線全天地図を、観測開始から初めて完成させた。
2025年3月11日に米カリフォルニア州からスペースXのファルコン9ロケットで打ち上げられた、NASAの最新の宇宙望遠鏡SPHERExは、5月に科学観測を開始していた。この画像は、赤外線でこれまでに作成された色(観測波長帯)数が最も多い全天地図であり、今回の観測計画における最初の重要な節目だ。天の川銀河(銀河系)がどのように進化してきたかや、ビッグバン直後の最初の瞬間に何が起きたかなどの問題を天体物理学者が調査する助けになるかもしれない。
SPHERExとは何か
SPHERExは「Spectro-Photometer for the History of the Universe, Epoch of Reionization, and Ices Explorer(宇宙の歴史、再電離の時代と氷のための分光光度計)」の略語だ。
NASAによると、SPHERExは地球を1日に14.5回周回し、空の画像を毎日約3600枚撮影する。地球の公転とともに常に視野が移り変わるため、6カ月間で全天360度をカバーできる。各画像では102におよぶ波長帯の赤外線データを取得する。赤外線は波長が非常に長い電磁波で、人の目には見えない。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)もまさにこの赤外線観測データを提供するが、遠方の観測対象天体のクローズアップ画像を目的としている。
SPHERExから新たに公開された全天地図は、いかに多様な宇宙の天体がさまざまな波長の電磁波を発しているかを示している。高温の水素ガスは青色、宇宙塵は赤色に見え、恒星は青と緑と白を組み合わせた色に見える。これにより、可視光のみを捉える従来の光学望遠鏡では見ることができない特徴や構造が明らかになる。



