暗号資産

2026.01.05 08:30

約2700兆円規模のベネズエラ「原油価格ショック」、ビットコインに追い風か

Shutterstock.com

Shutterstock.com

米軍がベネズエラ大統領のニコラス・マドゥロを拘束した後、ビットコインおよび暗号資産の価格は上昇した。ドナルド・トランプ大統領は「慎重な移行」が実現するまで「同国を運営する」と約束している。

advertisement

ビットコイン価格は直近3日間で約5%上昇し、9万ドルを上回った。暗号資産全体の時価総額はおよそ1000億ドル(約15兆6800億円)増加している。

こうした中、アナリストたちは、ビットコイン価格と暗号資産市場に衝撃を与えかねない、17兆3000億ドル(約2713兆円)規模の原油価格の急変に身構えている。

「トランプは、株式市場がこのニュースを織り込むために48時間の猶予を与えたいと考えているのだろう」と、ビットコインおよび暗号資産ニュースレター『ウェルスマスタリー』の著者でアナリストのラーク・デイビスは、Eメールによるメモで記した。

advertisement

デイビスは、このニュースに対するビットコインの即時かつ安定した反応を指摘し、「これにより、ビットコインは市場心理を先取りする指標となっている」と述べた。その上で「しかし、これが本当に原油に関する話であれば、これはまだ始まりにすぎない可能性がある。その場合、このニュースを受けて原油価格は大きく下落するかもしれない」と続けた。

原油先物市場は、米軍によるベネズエラでの軍事行動を前に1バレル当たり57ドルで取引を終えた後、米国時間1月4日の夜に取引を再開する予定である。

急襲作戦後の記者会見で、トランプは、米国がベネズエラの莫大な原油埋蔵量を管理下に置き、米国企業を動員して同国の石油産業に数十億ドル規模の投資を行うと述べた。

「世界最大規模の米国の石油企業を現地に投入し、数十億ドルを投じて、深刻に破壊されたインフラ、特に石油インフラを修復する」と、トランプはマー・ア・ラゴでの記者会見で語ったと、フォーブスは伝えている。

「世界がどれほど大きく変わったのかを、多くの人は理解していない」と、コベイシ・レターのアナリストはXに投稿し、ベネズエラの原油総埋蔵量は金額にして17兆3000億ドル(約2713兆円)相当にのぼるとした。「原油市場がこのニュースに初めて反応するのは、米東部時間の4日午後6時である。今後数日間が極めて重要になる」

米国エネルギー情報局(EIA)によると、ベネズエラには約3000億バレル相当の原油が存在するとみられており、これは世界全体の埋蔵量のおよそ5分の1に当たる。

株式ファンドマネジャーのグラント・カードンはXに、「米国の原油価格は、5日の取引開始時点で1バレル当たり50ドルを下回るはずだ」と投稿した。「ベネズエラは、3000億バレルを超す世界最大の原油埋蔵量を持つ。そして米国は今、世界最大の原油埋蔵量を支配している」。

原油価格の低下は、今後1年間に米国および世界全体のインフレ率を押し下げる可能性が高く、アナリストは、低インフレがビットコインにとって追い風となる可能性を指摘している。

「2026年を迎えるにあたり、私が懸念していた要因の1つは、2022年と同様に、原油価格の高騰がビットコインの逆風になることだった」と、コインデスクおよびブリッシュのアナリストであるジェームズ・ヴァン・ストラテンはXに投稿した。

「原油価格が低水準にとどまれば、インフレと長期金利の上昇を抑え込める。トランプは、少なくとも2026年の最初の6カ月間は、インフレを気にせず強気の政権運営が可能になるだろう」

SEE
ALSO

経済・社会 > 経済

トランプ米政権はなぜ今ベネズエラを攻撃するのか? エネルギーと力からの読み解き

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事