モビリティ

2025.12.31 11:00

成長と失敗そして戦い、「ロボカー(自動運転車)」の2025年を振り返る

テスラのロボタクシー「サイバーキャブ」(Tesla)

テスラのロボタクシー「サイバーキャブ」(Tesla)

2025年の「ロボカー(自動運転車)」に関する主な話題を振り返ってみよう。この一年、退屈な瞬間などなかった。

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11. 自動運転トラック輸送が現実になる

自律走行トラックによる輸送の実現を目指す企業の中には、志半ばにして頓挫した社もいくつかあり、その1つである中国のTuSimple(トゥーシンプル)はBot Auto(ボットオート)として復活した。だが、最大のニュースは米国のAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)が完全自動運転で走行する大型トラックによる商用貨物輸送を開始したことだ。

現時点ではごく限られた区間であり、同社と戦略的提携を結ぶトラックメーカーのPaccar(パッカー)は、安全のために運転手が同乗するべきだと主張しているものの、Auroraは無人運転トラックの導入において一線を踏み越えた。おそらく、遠隔監視は継続されており、実際にYouTubeを通じてライブカメラの映像を確認することができる。

オーロラの自律走行トラック(Aurora)
オーロラの自律走行トラック(Aurora)

Kodiak Robotics(コディアック・ロボティクス)は、その自動運転技術を軍事転用して国防総省との契約を獲得し、スウェーデンに本拠を置くEinride AB(アインライドAB)は、苦境に陥っていたように見えたが回復して特別買収目的会社(SPAC)経由で上場する(しばしばリスクの高い手法となる)ことを表明。一方、カナダのWaabi(ワービ)は、新規調達で多くの資金を獲得。間もなくカリフォルニア州で自動運転トラックの走行が認可される見込みだ。

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10. ウーバー、ロボタクシー市場の支配を目指す

ロボタクシー(自動運転タクシー)事業とは、乗車・移動サービスを販売することであり、ウーバーは西洋世界で乗車・移動サービス販売のトップブランドを保有している。これは強みだ。しかし、他のロボタクシー開発企業であるアルファベット、アマゾン、バイドゥ(百度)はウーバーよりはるかに大きな世界有数のテクノロジー企業である。

彼らは単に「ウーバーの運転手」となる技術を開発しようとしているわけではない。だが、ウーバーはあらゆる場所でできるだけ多くの提携を(ウェイモとさえ)結び、「乗車・移動サービスの仲介」を目指している。同社は、提携を結ぶNuro(ニューロ)のような小さな企業に対しては支配力を持つが、大企業はあるゆる取引において主導権を握ろうとするだろう。長期的に見ると、ウーバーとウーバー運転手の運命は、興味深い物語となりそうだ。

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翻訳=日下部博一

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