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2025.12.31 08:00

「覚悟せよ」金・銀・銅が乱高下、ビットコインと暗号資産は「クレイジーな週」に

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ビットコインは2025年の最後の数週間で急落し、10月に史上最高値を付けて以降30%下落した(米財務長官スコット・ベッセントが、価格を左右し得る「ゲームチェンジャー」を明かしているにもかかわらずだ)。

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ビットコイン価格は1ビットコイン当たり9万ドル(約1404万円。1ドル=156円換算)をわずかに下回る水準で下げ止まったが、ここ2週間ほど、金・銀・銅などのコモディティが大きく上昇する流れに乗れず、上昇できていない。これは、2026年にビットコイン価格が大きく上昇する下地となる可能性がある。

今、3兆ドル(約468兆円)規模の株式市場に関する警告が突如として赤信号を点灯させた後、銀価格が1時間余りで10%下落したことを受け、ビットコイン価格と暗号資産市場は「クレイジーな週」に身構えている。

「クレイジーな週に備えて覚悟せよ」と、Kobeissi LetterのアナリストはXに投稿し、銀の「今起きている完全な狂騒」を挙げた。銀は約84ドル(約1万3100円)の過去最高値に急伸した後、70分で10%下落したという。

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12月を通じて30%上昇した銀の猛烈なラリーは、投機的な取引と、世界的な供給不足への懸念に支えられてきた。こうした懸念は、中国が輸出を取り締まるとの見通しによってあおられた。

「銀の下落について明確な要因は見当たらないが、流動性が低水準であること、そして銀が放物線的に上昇してきたことは、反動で急反落しやすいことを意味する。マクロ要因と流動性はいずれも薄いままであり、金属市場でこうした不規則な値動きは、2025年の残りの取引期間の特徴となる可能性がある」と、ブルームバーグのマクロ戦略家アダム・リントンがブルームバーグの記事中で述べた。

金は過去6カ月で約40%上昇しており、12月も銀につれて上昇した。一方、銅価格は1トン当たり1万3000ドル(約203万円)に迫る水準まで急伸し、2025年に3分の1強上昇した。年間の上昇率としては2009年以来最大である。

ビットコイン価格はクリスマス休暇で市場が静かな週の間、おおむね横ばいで推移した。ただし、暗号資産取引所Binanceでフラッシュクラッシュ(瞬間的な急落)が起き、ビットコイン/USD1(World Liberty Financialのステーブルコイン)ペアが2万4000ドル(約374万円)強まで下落した後、すぐに反発する場面があった。

この急落は、クリスマスイブに取引量が薄かったことが原因だとされた。市場の監視者は、出来高の低さがより大きな値動きにつながり得るとして警戒している。

「2025年の最終盤は流動性が薄い」と、RedStone共同創業者のマーシン・カジミエルチャクはメールで警告した。現物ビットコイン上場投資信託(ETF)が後退する中、ビットコインを財務資産として保有する企業が11月以降に4万2000ビットコインを買い集め、積み増しは7月以来最大になったとも指摘した。

「その構造的な乖離は重要だ。2025年は、トークン価格が貴金属に後れを取ったにもかかわらず、機関投資家による採用とインフラ面で大きな進展があった。金が70%上昇した一方、ビットコインは概ね横ばいにとどまった」と述べた。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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