思慮深い海外生活を送るには
ここで一つ、重要な注意書きをしておこう。すべてのコミュニティが、外国人居住者の増加を歓迎するわけではない。一部の国々では、ジェントリフィケーション(都市の富裕化現象)や、外国人からの需要が住宅市場や日常生活に与える影響について、住民たちが懸念を示している。
インターナショナル・リビングは、こうした緊張関係があることを認め、読者に思慮深いアプローチで海外移住に臨むよう促している。何よりもまず、その国の公用語を学ぶ努力をすべきだ。「もちろん、英語を話せる人は世界中にたくさんいますし、インターナショナル・リビングが推奨する国々では特にそうです。それでも、移住先の国への敬意のしるしとして、話す努力はすべきでしょう」と、スティーブンスは言う。
スティーブンスはまた、外国人居住者は、自分のふるまいに気を配るべきだと指摘する。「ハウスキーパーには生活賃金(人間らしい生活を送るために必要な賃金水準)を支払い、地元の飲食店で食事し、家族経営の店をできるだけ利用しましょう」と、同氏はアドバイスする。「それから、いちばん観光客の多い地区に住むのは避けましょう。生活費が安めの地区を拠点にすれば、新天地の環境にすんなりなじむことができるはずです」
以下では、インターナショナル・リビングが選ぶ 、世界で最も暮らしやすい国ベスト10の2026年版を見ていこう。
世界で最も暮らしやすい国ベスト10
1位:ギリシャ
今回の総合首位に輝いたギリシャでは、のんびりとしたスローライフを送ることができる。コロラド州での医療関係の仕事を退職した後、現在はギリシャのコルフ(ケルキラ)島で悠々自適に暮らすリーナ・ホーナーは、インターナショナル・リビングのレポートで自身の経験をこう語っている。
「ここでの生活ペースは穏やかですが、けっして退屈しません。安定していて、コミュニティに根差しており、バランスがとれていて、意外なくらい豊かです」と、ホーナーは綴っている。「(コロラド州)ボールダーでの生活を振り返ると、長い冬、高い生活費、絶えず忙殺されていた日常は、はるか遠い記憶のような気がします」
さらに、晴天が年間300日を超えること、227の無人島、しっかりと根付いたコミュニティ意識を考えれば、ギリシャがトップに躍り出たことは意外でもなんでもない。
2位:パナマ
前回のトップを飾ったパナマが、今回は2位にランクインした。パナマはインフラが安定しており、医療の質も高く、特に首都パナマシティでは申し分ない。
パナマには、有名な「ペンシオナード(年金生活者)」プログラムがあり、退職者は、医療費から水道光熱費、航空券、娯楽まで、さまざまなものに大幅な割引が適用される。
だが、インターナショナル・リビングの調査員ジェス・ラメシュによれば、パナマ移住の特典は、どんな年齢層の人にも用意されている。ラメシュは、以前はオレゴン州に住んでいたが、カリブ海の島々やヨーロッパでの生活を経験したあと、パナマに落ち着いた。
「フレンドリー・ネーションズ・ビザや、デジタルノマド向けに新設されたテレワークプランなど、豊富な選択肢があります」と、ラメシュはレポートで述べている。


