ギリシャが、ポルトガルやスペインを上回った理由
昨年まで、GRIのトップの常連は、ポルトガルやスペインといった国々だった。両国の人気は依然として高く、今回のランキングでもトップ10に入っている。ただし、価格の手頃さという面では、ギリシャと差が開いた。
「ポルトガルとスペインでは、外国人需要の増加により、不動産の賃貸・販売価格が高騰しています」と、スティーブンスは述べる。「リスボン、ポルト、アルガルヴェの一部、アンダルシアからコスタ・ブランカまでの地中海沿岸といった人気エリアでは、不動産価格が年々上昇しています。ポルトガルとスペインは、質の高い医療、充実したインフラ、快適な気候といった揺るぎない魅力を備えていますが、価格の手頃さに関して、今回はギリシャとの差が拡大しました」
政策の変化も関係している。ポルトガルは、これまで外国人誘致に貢献してきた、住宅用不動産への投資を条件とするゴールデンビザを廃止し、移住者対象の税優遇制度についても、新規移住者に対しては廃止した。スペインは依然として優れたビザの選択肢を揃えているが、ギリシャと比べて申請が煩雑で、金銭面でのハードルも高い。
ギリシャは、ポルトガルとは逆方向に舵を切った。各種ビザ制度を明確化するとともに、対象を拡大したのだ。スティーブンスは、こう説明する。「ギリシャは、外国人居住者にとって、よりわかりやすく柔軟な制度を導入しました。その一つが、改定されたゴールデンビザで、一定条件を満たす修復・改装プロジェクトへの25万ドルの投資を前提としており、これは他国の類似のプログラムよりもはるかに利用しやすいものです。また、経済的自立者ビザという方法もあります」
「これらのプログラムにより、特にインターナショナル・リビングの読者と調査員のあいだでは、移住の容易さと質の高さにおいて、ギリシャは『次なるポルトガル』という評価を得ているのです」
ランキングでヨーロッパが優勢となった理由
今回のGRIランキングは、ヨーロッパの優勢が顕著で、ギリシャ(1位)、ポルトガル(4位)、イタリア(6位)、フランス(7位)、スペイン(8位)がトップ10入りを果たした。
「ランキングでヨーロッパの存在感が大きかったことは、安定性、安全性、日常生活の質の総合評価を反映しています」と、スティーブンスは指摘する。「質の高い医療、徒歩で移動できる街、信頼の置ける公共サービス、居住権取得の基準の明確さが、すべて関係しています。海外移住を検討する米国人にとってヨーロッパは、文化、快適さ、安定した制度を、米国よりも低コストで享受できる環境なのです」
ただし、値段の安さが決定的な要因になることはまれだと、スティーブンスは説明する。「金銭的な手頃さは、移住先の候補に入れる理由にはなっても、移住を決意する理由になることはめったにありません」と、スティーブンスは言う。インターナショナル・リビングの今回のレポートでは、移住の決め手となったのは、医療へのアクセス、安全性、コミュニティ意識、気候、全体的な生活の質だった。
さらに、ヨーロッパ人気の別の理由として、スティーブンスはこう語った。「上位にランクインした国々の多くに共通する特徴として、ゆったりしたペースの生活、強固な社会的つながり、アウトドア志向のライフスタイルが挙げられます。こうした要素が、長い目で見て暮らしやすそうだという印象につながるのです」


