パラマウントは米国時間12月22日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー（WBD）に対する敵対的買収案を修正し、パラマウントのデビッド・エリソンCEOの父親であるラリー・エリソンが、404億ドル（約6.3兆円。1ドル＝157円換算）の「撤回不能」な資金支援を行うと発表した。WBDは、世界で3番目に裕福な人物であるラリー・エリソンからの資金提供が保証されることが、パラマウントの買収案を検討する条件だとしていた。
パラマウントは声明で、WBDに対する1080億ドル（約17兆円）の買収案を資金面で支えるため、エリソンが「404億ドル（約6.3兆円）の撤回不能な個人的保証」を提供することに同意したと述べた。また、取引期間中にエリソンが自身のファミリー・トラスト（家族信託）を撤回したり、その資産を移転したりすることはないとも明記している。
先日提出された米証券取引委員会への届け出の中で、WBDは、エリソン一族のファミリー・トラストがパラマウントの提案に引き続き関与するかどうかに疑問を呈し、一族には協力する「義務はない」と示唆した。一方で、エリソン本人による「個人的保証」があれば十分であるとも述べていた。
エリソンによる保証は、WBDが主張する「暫定的な事業運営における『柔軟性』という、曖昧なニーズ」に対応するものだとパラマウントは述べている。
今回の修正案の一環として、パラマウントは、取引が成立しなかった場合にはWBDに58億ドル（約9106億円）を支払うと述べ、その金額を従来の50億ドル（約7850億円）から引き上げた。
22日現在、世界第3位の富豪であるエリソンの推定資産額は2427億ドル（約38.1兆円）となっている。オラクル株が10月に急騰した当時、彼はテスラのイーロン・マスクCEOに次ぐ世界第2位の富豪に浮上し、史上2人目となる資産総額4000億ドル（約62.8兆円）越えを達成した。現在、マスクの資産は約7489億ドル（約117.6兆円）と推定されており、ラリー・エリソンのおよそ3倍に相当する。
