経営・戦略

2025.12.23 09:00

ラリー・エリソン、パラマウントによるワーナー買収案で約6.3兆円の資金提供を約束

Andrew Harnik/Getty Images

パラマウントがWBDに対する敵対的買収案を発表する数日前、ネットフリックスはWBDに対する830億ドル(約13兆円)の買収案について合意を勝ち取っていた。そのネットフリックスは22日、買収資金を賄うため最大250億ドル(約3.9兆円)の銀行融資を確保すると発表している。この借入金の他に、ネットフリックスは追加で340億ドル(約5.3兆円)の資金調達余力を持っており、これはBNPパリバ、ウェルズ・ファーゴ、HSBCなどの金融機関によって債券として販売される予定である。

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WBDはこれまで、1株当たり30ドルと評価するパラマウントの提案について、株主に拒否するよう求め、デビッド・エリソン主導の買収提案はネットフリックスの提案よりも「劣っている」と主張していた。WBDのサミュエル・ディピアッツァ会長は、取締役会がパラマウントの提案を精査した結果、提示されている価値は「不十分」であり、「数多くの重大なリスクとコストをWBDに課す」ものだと述べた。また、同提案にはエリソン一族からの406億ドル(約6.4兆円)の資金拠出が前提とされている一方、それについては「エリソン一族は何のコミットメントもしていない」と指摘した。

これに対しパラマウントは、この声明に異議を唱え、同社の提案は「WBDの株主に対して、より優れた価値と確実性を明確に提供するものだ」と反論した。さらに、エリソン一族の支援を受けることで、規制当局との関係においても「取引完了までの明確な道筋」があると主張している。

報道によれば、パラマウントはWBDの売却プロセスを「腐敗したもの」だと批判し、パラマウント側の弁護士は、WBDの取締役会が「単一の入札者を有利にする、結論ありきの近視眼的なプロセスに踏み出していた」と主張している。

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forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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