これまで、小惑星リュウグウは太陽から約20~30天文単位(AU、1AUは太陽地球間の距離)離れた、現在の天王星や海王星の軌道を越えた辺りで形成されたと考えられていた。
だが、インペリアル・カレッジによると、生命の材料物質の起源は、現在考えられている遠方の宇宙空間ではなく、初期太陽系の木星の近くであることを、最新の走査型電子顕微鏡画像が示唆している。
初期太陽系では、木星の軌道を越えてすぐの領域で激しい乱流が起きていた可能性が高い。ここではガスが木星の影響を受けて掻き混ぜられていた。
また、この領域のすぐ外側には圧力バンプ(局所的な圧力上昇領域)があり、ここにはガス流によってミリサイズの粒子が集積された。この木星の圧力バンプは本質的にコンドリュール工場となり、ここからマイクロコンドリュールが木星の近くの乱流領域に流されて濃集・合体することで小惑星が形成されたと、インペリアル・カレッジは説明している。
マイクロコンドリュールは何で溶融するか?
ゲンジによると、真偽はまだ不明だが自身が最も支持している仮説は、原始太陽系円盤を伝播したランダムな爆発衝撃波によって起きた急激な加熱による熱というものだ。
この衝撃波は原始太陽系円盤の温度を、鋼鉄の融点を上回る最高1900度まで上昇させた可能性がある。さらに重要なのは、この温度が原始惑星物質を溶かして初生のマイクロコンドリュール融解液滴にするほど高温だったことだ。
爆発現象を写した動画を見た経験があるなら、衝撃波が拡大していくのを見たことがあるだろうと、ゲンジは話す。
この球殻状に高速で伝播する衝撃波が、塵(固体微粒子)を急速に加熱して融解液滴を形成する。だが、ガスと共に流される極めて細かい塵粒子の大半は加熱を免れるため、粒子に含まれる炭素や水や有機物質などは保たれる。
だが、この領域の近くに木星があることから、局所的に激しい円盤乱流が起こり、高速で移動するガスの渦流が発生した。


