マイクロソフト株は顕著な上昇を示し、特に2015年と2023年には2カ月間で30%以上上昇した。これらの急速な上昇は、重要な上昇トレンド期間中に投資家に大きな恩恵をもたらしている。過去のトレンドが続けば、今後の成長要因がマイクロソフト株を新たな驚異的な高値へと押し上げ、力強いモメンタムと株主価値創出の遺産を維持する可能性がある。
散発的な市場の不確実性にもかかわらず、マイクロソフトの株価は主にインテリジェントクラウドと画期的なAIポートフォリオにおける絶え間ないイノベーションに牽引され、この1年間で上昇している。Azureの収益源が拡大し、Copilotの採用が急速に加速する中、同社の広範なインフラ投資は将来的に大きな利益に変わる可能性が高く、さらなる上昇余地が大きいことを示唆している。
株価を押し上げる可能性のある要因
・AIの収益化急増:Copilotの採用率は企業の間で推定82%に達し、年間収益に推定100億ドル以上貢献している
・Azureの優位性:クラウドコンピューティングプラットフォーム「Azure」の収益は2026年度第1四半期に40%増加し、インテリジェントクラウドを309億ドルに押し上げ、20〜26%の市場シェアを確固たるものとし、2026年度にAI能力を80%向上させる意向だ
・ゲームエコシステムの拡大:Xbox Game Passは2025年半ばまでに3500万人の加入者を超え、2025年度に約50億ドルの収益を生み出し、今後12〜18カ月で5000万人の加入者を超える見込み
現在の財務状況はどれほど堅固か
以下はマイクロソフトのファンダメンタルズとS&P中央値との簡単な比較となる。
・収益成長率:直近12カ月で15.6%、過去3年間の平均は13.2%
・キャッシュ創出:フリーキャッシュフローマージンは約26.6%、直近12カ月の営業利益率は46.3%
・バリュエーション:マイクロソフト株はPER(株価収益率)36.7倍で取引されている
マイクロソフトの力強い収益成長率と堅固なキャッシュ創出マージンは、同社の基本的な強さを裏づけている。しかし、これらのファンダメンタルズは印象的であるものの、特に株価が広範な市場下落時にどのように推移する可能性があるかについては、潜在的な投資リスクを評価することが重要だ。
リスク評価
リスクを評価する際には、マイクロソフトが厳しい市場でどのように推移するかを分析することが不可欠だ。同社株はドットコムバブル崩壊時に約65%、世界金融危機時には約58%下落した。インフレショックでは約37%下落し、コロナ禍の売り圧力と2018年の調整ではそれぞれ約28%と18%の下落を引き起こした。マイクロソフトのような一流企業でさえ、深刻な市場下落時には免れない。品質は下落を緩和するが、リスクを排除するわけではない。



