法律、金融、研究開発(R&D)などの分野では、適切な情報を競合他社より迅速に入手することが、競争上の大きな強みとなる。そうした業界の企業なら、貴重なデータの管理と取得に長けた専門性の高いライブラリアンに高報酬を支払うだろう。グラスドアの給与データによると、経験豊富な企業内ライブラリアンなら、年収が12万3000ドル(約1900万円)に達することも多いようだ。
この職業は、几帳面で、調べものが好きな人、混乱した情報を体系的にまとめることが好きな人に最適だ。完璧なスプレッドシートを作成することに喜びを覚える人は、企業内ライブラリアン、またはリサーチライブラリアンとしてのキャリアを検討してみよう。
4. 高い専門性を持つグラフィックデザイナー(例:メディカルイラストレーター)
ロゴやウェブサイトの作成など、細かな案件の獲得を競い合うオールラウンド型グラフィックデザイナーよりも、高い価値のあるニッチ分野を専門にしたグラフィックデザイナーを目指そう。具体的には、製薬会社など向けに医療系のイラストを描くメディカルイラストレーターや、企業幹部が行うプレゼンテーションの資料を作成するデザイナー、金融機関のデータ可視化を専門とするグラフィックデザイナーなどだ。
スペシャリストなので、単なる従業員ではなく、専門家としての能力が求められる。従って、仕事の進め方については、より配慮してもらえるし、完成させた仕事を主観的な視点で修正されることもあまりない。競争相手も少ない。ストレスの少ないほかの職業と同じく、プロジェクト単位で取り組むので、自分の専門分野に集中する時間を確保できる。
深い専門性を持つ人はまれだし、貴重だ。デザイン職は一般的に、クリエイティブ人材の中でも高報酬が期待できる。メディカルイラストレーターの年収中央値に関するグラスドアのデータによると、専門性の高いデザイナーなら、年収が11万ドル(約1700万円)に達する場合もある。このキャリアは、創造性に優れ、ディテールにこだわり、専門分野の第一人者を目指す人に向いている。
高収入を得るためにはウェルビーイングを諦めなくてはならないという考えは時代遅れだ。ディープワークや専門性が必要で、静かな環境で集中して働ける職種を選ぼう。そうすれば、経済的な目標をかなえると同時に、心の平安も維持できるキャリアで成功を収められるだろう。


