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2025.12.20 17:00

満たされない、不幸な恋愛関係を「ずるずる続けて」しまう3つの理由

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3. 不確かな未来を不幸な現在よりも恐れている

高い知性を持ち、自分の感情に気づいている人でさえ、不確実性回避の力を過小評価する。人間の脳はリスク(社会的・人間関係の両方)を避けるようにできている。歴史的に、絆で結ばれた集団から切り離されることは生死に関わる結果を伴ったからだ。現代の生活は昔よりも安全だが、その性質は変わらない。だからこそ満たされない関係が、未来の人生よりも奇妙なことに「安全」に感じられるのだ。

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例えば2023年の研究では、人はポジティブな強化の後だけでなくネガティブなフィードバックの後も選択を固守し、認知慣性のパターンを示すことが判明した。現状維持は脳への負担が少ない。明確な変化の兆候がない、あるいは不快感があっても、変化に伴う内的なコストを上回らないため、一部の人は現状に固執する。つまり、方向転換には現状維持よりも多くの認知・感情的労力が必要であるため、心はデフォルトで現状維持を選ぶ。

これは人が密かに恐れる疑問として現れる。

・もし他の誰かを見つけられなかったとしたらどうしよう
・やり直しがもっと悪いものだったらどうしよう
・去ったことを後悔したらどうしよう

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こうした疑問が浮かぶのは、現状が(たとえ不幸の源であっても)安全にやり過ごせるほど親しみを覚えているために、脳が未来を悲観的にとらえている証拠かもしれない。

この惰性は離れることの心理的負担(実務的・感情的・経済的・存在論的)によってさらに強まる。要するに人間は利益に基づいてではなく、予想される損失に基づいて選択する。このため人は、そのままでいる苦痛が未知の世界に足を踏み入れる恐怖を上回るまでその関係に留まり続ける。

ここで力を発揮するのは自己信頼だ。自分が何者で何を必要としているのかという明確な内なる地図を作成すれば、未来は漠然とした脅威ではなく、進むことができるものに感じられるようになる。そうなれば、調整に向けた真の歩みに思えるため、関係を終えることはブラックホールへ深く沈むように感じられなくなる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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