ビットコインおよび暗号資産市場は、10月に史上最高値を付けて以降、低迷が続いている。ビットコイン価格は、12万6000ドルの高値から約8万5000ドルの水準まで約30%下落している。
そんな中、ビットコインは、ほぼすべての暗号資産を消し去りかねない大規模な暴落の瀬戸際に立っている可能性がある。
ブルームバーグ・インテリジェンスのシニア・コモディティ・ストラテジストであるマイク・マクグローンは、リンクトインへの投稿で次のように述べた。
「ビットコイン価格が10万ドルを上回ったことで、価格が1万ドルへと逆戻りするサイクルが引き起こされた可能性があり、その時期は2026年になるかもしれない」。
さらにマクグローンは、「富の創出が反転する動きが、次の景気後退を主導する可能性が高い。その中心となるのは、供給量が無制限で、極めて投機的なデジタル資産の崩壊であり、その大半は何もトラックしていない」と述べる。
ビットコイン価格が2020年以来見られていない1万ドル水準まで、つまりは90%近く暴落した場合、現在3兆ドル(約463兆円)の暗号資産市場全体の時価総額は、3000億ドル(約46兆4300億円)前後にまで縮小することを意味する。
マクグローンは、10月以降のビットコイン価格の急落を指摘しつつ、その下落が「インフレ後のデフレ」と彼が呼ぶ現象によって加速する恐れがあると警告した。
マクグローンはXへの投稿で次のように記している。
「ビットコインはFRBの政策金利と歩調を合わせて下落している。FRBが9月17日に25ベーシスポイントの利下げを実施して以降、ビットコインは25%近く下落した。これはインフレ後のデフレの始まりなのか、それとも上昇トレンドの中の一時的な調整にすぎないのか。私の見方は前者である」。
マクグローンはまた、米国株式市場が過去最高値を記録する一方で、FRBが景気悪化の兆候に対応するため利下げを開始した2007年の株式市場と類似した状況になる可能性についても警告した。
2007年9月に50ベーシスポイントの利下げが始まったにもかかわらず、株式市場はその直後に天井を打ち、その後2008年の金融危機で50%超の下落を記録した。
マクグローンはブルームバーグ・ターミナルに次のように書き込んでいる。
「下落中のビットコインは、2007年の株式市場とFRBの攻防を再現している可能性がある」。
一方で、他のビットコインおよび暗号資産アナリストたちも、疲弊した市場が差し迫った下落リスクに直面していると警告している。
トレード・ネーションのシニア・マーケット・アナリストであるデビッド・モリソンは、「今朝のビットコインは小幅に上昇したが、昨日の損失を埋めるには不十分だった」とEメールで述べた。
さらにモリソンは次のように続けている。
「しばらくの間、取引環境はかなり建設的に見えていた。日足のMACDを見ると、ビットコインは11月、数カ月ぶりにつけた8万ドル近辺の安値から反発しており、その時点では大きく売られ過ぎていた。その後、安値と高値を切り上げる動きを続けてきたが、今では勢いが失われつつあるように見える。12月初旬の直近安値を再び下回る現実的な危険があり、そうなれば、8万ドルまでのさらなる調整が起こる可能性も否定できない」。



