「上司がわけのわからないことを言う」と感じたとき、それは「わけがわからないと感じている」受け手側の問題かもしれない、と自分をふり返ってみることも大切だ。
ただし、本当に100%の純度で、わけがわからないことを言う人がいるのも、紛れもない事実だ。
たとえば映画の構成でA案とB案があり、何度かの議論をへてA案に決まったのに、途中から参加してきて、「ほかにないの?」と話を振り出しに戻すような人もいる。
そういうときは、手をつくして説明し、A案で納得してもらわなければならない。
私だったら、すぐさま、もっとわかりやすい資料をつくる。
なぜA案がいいのか。業界の人にしかわからない設計図ではなく、素人でもわかるような「完成形のジオラマ」をつくって見せる。
お偉方やお金を出すスポンサーたちがハンコを押しやすいように、「やっぱりA案のほうがおもしろいね」と言われるようなレジュメを提出するのが理想だ。
偉い人はたいてい忙しいのだから、企画書や資料はできるだけ少ない枚数にまとまっているほうがいい。
そして「1枚目」がわかりづらかったら、もうダメなのだ。
「説得」にはコツがある
また、わかりやすくするために、常に「なるべく短く」言うことを心がけている。
たとえば、「3行」かけて言うところを、「1行」にする。
それができないということは、まだ一番の推しどころや売りどころがわかっていない。そぎ落とす作業を重ねる必要がある。
そもそも、突飛なことを言い出すような人は、どこにでもいる。
でもそのとき、「また変なことを言い出したよ」「あいつ何なんだよ」などと愚痴っている暇があったら、その人に納得していただくための作戦を考えたほうがいい。
とにかく、首を縦に振ってもらえるまで手をつくす。
その人に、「もうわかった」「充分だよ」「その説明、もう聞きたくないわ」と言ってもらうか、「ここまでやってくれたら、ぶっちゃけNOとは言えないな」と思ってもらえるくらい、徹底的に伝える。
説得を重ねる労力を、惜しんではいけない。
その先にだけ、「そこまで言うなら、こいつの案に乗ってみるか」があると思っている。
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