仕事で抜群の成果を出す人。質の高い仕事ができる人――。
映画監督として22年間、数々の俳優と仕事をしてきた飯塚健さんはそのポイントに「想像力」を挙げます。トップクラスの人たちは何が違うのでしょうか。飯塚さんの著書『晴れのシーンを撮る日に、雨が降ったら?』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。
「完成品」を見るだけでは本当の意味での実力はつかない
「想像力」が豊かな人は、仕事における可能性の数が多い。多いがゆえに、もっとも精度の高い選択ができる人間といえる。
では、どうやったら「想像力」=「可能性」を高められるだろうか?
ありがちな例から先に説明しよう。
俳優を志望する人に「想像力を磨いてください」と言うと、「それでは、映画をたくさん見て勉強します!」と言う人がいる。
これは間違いではないが、正解ではもっとない。
なぜかといえば、「完成品」をたんに鑑賞しているにすぎないからだ。
映画をたくさん見れば、実力派俳優になれるなら、だれだってそうしている。
野球選手になりたい人が、「一生懸命、野球中継を見ています」と言っているのと同じだ。
つまり、完成されたものをいくら見ても、それはたんなる映画鑑賞であり、野球観戦にすぎない。
もちろん見ないよりは、絶対見たほうがいい。何かしら勉強になることはたしかだ。
ただ、いくら見ても、本当の意味での実力をつけることには絶対にならない。
ではどうすればいいのか?
考えて、実践につながる行為をして、さらに考えることである。



