映画

2025.12.29 10:15

映画をたくさん見ても実力派俳優になれないワケ

提供=飯塚健さん

「考える」→「実践する」ことをくりかえすことで、本当の力がつく。これしか、道はない。

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たとえば俳優を志望するなら、徹底的に生身の人間を観察して、どういう背景、どういう生活、どういう人生を送ってくると、どういう行動に繫がるのかを考え抜く。

考え抜いたバックボーンを想像しながら、鏡の前で実際にその人を演じてみる。

「考える」→「実践する」という順番がポイントだ。

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「考えて、実践する」をくりかえす

くりかえすが、もちろん映画を見ることで勉強になることもたくさんある。私も一時期は、浴びるように観ていた。週に最低でも2回は映画館に通っていた。

ただ、実力をつけるためには、「完成品」を鑑賞するよりも、「考える」→「実践」することのほうが大事だ。

私なら、映画を見るより、映画の脚本(シナリオ)を読むことをすすめる。

まず脚本を読み、心の動きを考えて、自分なりの演技をする。

その後で、その脚本が映画になっているのならその映画を見て、自分の演技と比べる。すると、答え合わせができる。

注意したいのは、映画のその俳優の演技が必ずしも「正解」ではない、ということだ。「自分なら、どうするか」を考えることのほうが大事だ。

「考える」→「実践する」→「考える」→「実践する」。

このくりかえしである。四の五の言わず、これしかない。

実践すれば、必ず具体的な反省点があぶり出せる。それらを再び考える材料にして、徹底的に考え抜き、戦略を立て、実践する。

「考える」と「実践」をセットにして、くり返すことが「想像力」を鍛えていくことにつながると思っている。

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文=飯塚健/映画監督、脚本家

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