マスクCEOが設立した米人工知能（AI）開発企業「xAIホールディングス」については、時価総額2300億ドル（約36兆円）で新たな資金調達に向けた協議が進められていると伝えられている。これは、同CEOが当初立ち上げたAI開発企業「xAI」と、22年に買収したSNS企業X（旧ツイッター）を3月に合併してxAIホールディングスを設立した際の1130億ドル（約18兆円）の評価額の2倍以上に相当する。フォーブスの推定によると、マスクCEOはxAIホールディングスの株式53％を保有しており、その価値は600億ドル（約9兆円）に上る。
純資産額が6000億ドルの大台を突破したのは、過去5年間にわたりマスクCEOが達成してきた数々の節目のうちの1つに過ぎない。20年3月にはわずか246億ドル（約4兆円）だった同CEOの資産は、テスラ株の急騰により同年8月に史上5人目となる1000億ドル（約16兆円）を突破した。同CEOは21年1月、純資産約1900億ドル（約29兆円）で初めて世界一の富豪に躍り出た。21年9月には、米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス会長、仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノー会長に次ぐ史上3人目となる純資産2000億ドル（約31兆円）の富豪となった。マスクCEOの純資産は同年11月に3000億ドル（約47兆円）、24年12月には4000億ドル（約62兆円）、今年10月には5000億ドルへと着実に増えていった（米オラクルのラリー・エリソン会長は、マスクCEOを除いて唯一3000億ドルと4000億ドルの大台を突破した人物だ）。
マスクCEOは現在、世界一の富豪の座を失うより、兆万長者になる可能性の方が高い。世界長者番付で現在2位につけている米グーグルの共同創業者ラリー・ページの推定資産額が2520億ドル（約39兆円）であるのに対し、マスクCEOは4250億ドル（約66兆円）の差をつけているからだ。同CEOの資産は7000億ドル（約109兆円）の大台までわずか230億ドル（約4兆円）に迫っており、次の大きな節目を迎えるまでそれほど長くはかからないかもしれない。
