シャリ・ピレはPlume Design, Inc.の最高法務・プライバシー責任者である。
AIは弁護士のツールキットに強力な武器を追加できる。課題と機会は、それを責任を持って使用する方法を学ぶことにある。それはマインドセットの転換から始まる。多くの弁護士は新興技術に躊躇する。それは彼らがリスクを予測し、露出を避け、信頼する前に検証するよう訓練されているからだ。私もその訓練を受けているが、自分自身を少し違った視点で見ている。私はスピード感のあるグローバルなテック企業で働いており、チームには利用可能なあらゆるスマートツールを使ってほしいと思っている。ただし、それを賢く使い、倫理的義務を最優先に考える限りにおいてだ。
このバランスは不可欠だ。なぜならツールは完璧からはほど遠いからである。トムソン・ロイター研究所のレポートによると、実際の裁判所への提出書類において、生成AIによって作り出された存在しない判例や引用が多数あったという。法律分析ジャーナルで2024年に発表された研究によれば、「無作為に選ばれた連邦裁判所の判例について具体的で検証可能な質問をした場合」、大規模言語モデル（LLM）は最大88%の確率で幻覚を起こしたという。これらのシステムは非常に説得力のある自然言語の回答を数秒で生成するが、それは彼らが絶対に間違いを犯さないということではない。
だからこそ、実験と規律の両方を受け入れる弁護士には優位性がある。私たちはより速く進めるべき作業を加速するためにAIを使用しながら、若手チームメンバーに期待するのと同じ判断力と検証を適用できる。このバランスを持って使用すると、AIは管理すべきリスクではなく、法務機能のフォースマルチプライヤー（力を増幅させるもの）になる。
眠らないジュニアアソシエイト
AIは熱心で迅速、大量の作業を素早くこなせるが、監督が必要なジュニアアソシエイトのように扱うべきだ。それが私自身のチームに対する考え方だ。人間の判断を置き換えることではなく、私たちの能力を拡大することが重要なのだ。非AI環境では、新人アソシエイトが要約や契約書分析を提出した場合、シニア弁護士はそれを額面通りに受け取らなかった。彼らはそれをレビューし、論理をチェックし、欠けているものを補った。同じ規律がAI出力のレビュー方法を導くべきだ。
以前なら、ジュニアアソシエイトが100ページの契約書を要約するのに2日かかっていたかもしれない。今日、その作業は数秒で完了する。常に、シニア弁護士の役割は結果を検証することだ。推論が不完全に感じられる箇所を尋ねる。情報源を確認する。クエリを洗練させて再試行する。私はよく言う：アソシエイトの仕事を読まず、レビューせず、編集せずにクライアントに直接転送しないのであれば、AIも同じように扱うべきだと。そのようなマインドセットと規律を持って使用すれば、AIは反復的な低価値の作業に費やす時間を劇的に削減し、法務チームが戦略、助言、交渉、ビジネスパートナーとの問題解決に集中できるようにする。
好奇心は法的スキルである
弁護士が持つべき最も重要な資質の一つ、特にAI時代においては、好奇心だ。優れた弁護士はすべてを疑問視する：前提、言語、先例、さらには自分自身の結論も。同じ習慣がAIの使用にも適用されるべきだ。
私たちが使用するツールを含め、誰も全ての答えを持っているわけではない。私自身、欧州指令の要約や、アクセシビリティ規制の目的における製造業者の定義など、一見単純に思える質問についてAIをテストしたが、間違った答えが返ってきた。だからこそ好奇心が重要なのだ。これらのシステムに与える詳細とコンテキストが多ければ多いほど、そして結果に疑問を投げかければ投げかけるほど、より良い結果が得られるだろう。
私が自分のチームと仕事をする際、人間からであれプラットフォームからであれ、すべての回答を「検証」するよう奨励している。何が欠けているかを尋ねる。何が間違っている可能性があるかを尋ねる。そして「まだ疑問がある」と言うことを恐れないでほしい。それは盲目的な服従ではなく、協力関係なのだ。
適切なツールの選択
法務業務を自動化すると主張するプラットフォームは数多くある。適切な選択はビジネス戦略によって異なる。法務リーダーはまず、何を最適化する必要があるかを問うべきだ：スピード、差別化、あるいは焦点か。
例えば、目標が効率性であれば、機密保持契約などの高ボリュームで標準化されたタスクを処理するツールを探すべきだ。これらの文書は業界全体で類似した条件を共有しているため、AIツールはそれらに対して迅速にトレーニングでき、良好なパフォーマンスを発揮できる。
組織が専門的な業務や複雑な交渉によって差別化している場合は、独自データでのカスタマイズとトレーニングが可能なツールを選択する。例えばPlumeでは、複数のタイムゾーンと法的制度にまたがってグローバルに事業を展開しているため、自社の契約言語とリスク選好に合わせてシステムをカスタマイズする能力が不可欠だ。システムに自社の契約言語とプレイブックの例を与えることで、会社のリスク姿勢と選好を反映する能力が強化される。時間の経過とともに、これは法務機能全体をよりスマートにする社内ビジネスインテリジェンスを生み出す。
監視を伴う効率性
AIが法務チームに提供する最大の利点はスピードだ。契約書を要約し、好ましい言語からの逸脱を強調し、さらには条件が会社の標準的な立場から逸脱している箇所を特定することもできる。この能力は、タイムゾーンが大陸をまたいで広がり、意思決定が24時間行われる急速に動くグローバルビジネスにおいて特に価値がある。
それでも、監視は不可欠だ。AIは古い契約書、修正条項、または管轄区域固有の条件のニュアンスを見逃す可能性がある。バージョン間の不整合を調整するのに苦労するかもしれない。ツールが重なり合った修正条項や古い言語を誤読するのを直接見てきた—これは人間でさえそこで苦労することを思い出させるが、それでもチェックする義務を免除するものではない。そのような場合、経験豊富な弁護士が人間の同僚からの仕事と同様に、微妙なニュアンスを解釈するために介入しなければならない。
最良の結果は協力から生まれる：人間の専門知識が機械の効率性を導くのだ。それが私たちが目指すべき「スイートスポット」—人間とAIが協力し、互いをより効果的にする組み合わせだ。AIは構造とスピードを担当し、弁護士はコンテキスト、判断力、経験、倫理的ガードレールを提供する。
判断力に基づくパートナーシップ
AIは弁護士がより明確にコミュニケーションするのを助けることができる。複雑な法的言語を取り、経営幹部が行動できるビジネスフレンドリーな要約に変えることができる。また、私たちの文章を磨くのにも役立つ—この職業の多くの人は冗長になりがちで、AIは私たちを明確さへと導くことができる。
倫理的規則はすでに私たちに高い基準を課している。AIを使用してもそれは変わらない。私たちは情報源を検証し、仕事の正確さを確認し、クライアントの特権を保護する責任がある。これらの義務は、ツールがタスクをより速く行うからといって消えるわけではない。
AIは進化し続け、私たちの職業も同様だ。その進化を主導する弁護士は、AIを脅威としてではなく、パートナーとして、その仕事が常に二度目の確認から恩恵を受ける疲れを知らない助手として扱うことを学ぶ人々だろう。なぜなら、弁護士業は本質的にはまだ判断力に関するものであり—それはアルゴリズムが複製できない何かだからだ。
