アート

2025.12.15 16:15

アートの力で経済を拓く 「ART & BUSINESS AWARD 2025」授賞式レポート

「ART & BUSINESS AWARD 2025」の様子

「ART & BUSINESS AWARD 2025」の様子

経済産業省(協力:Forbes JAPAN)は2025年12月9日、企業とアート・アーティストの共創により新たな経済的価値を創出した取り組みを表彰する「ART & BUSINESS AWARD 2025」授賞式を開催した。初開催となる今回は150件を超えるエントリーが寄せられ、5つのカテゴリーで6社、特別賞1社の計7社が表彰された。

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「ART & BUSINESS AWARD 2025」は、アートを起点に企業課題の解決や経済的価値の創出に取り組む企業を讃えることで、アート、アーティスト、経済社会が持続的に発展する基盤づくりを目指して創設されたアワード。企業とアート・アーティストとの共創を通じて、新たな価値を生み出した取り組みをロールモデルとして選出・表彰した。

受賞企業一覧とその取り組み内容はこちら

アートは“成長戦略”へ

経済産業大臣政務官・小森卓郎
経済産業大臣政務官 小森卓郎

授賞式は、主催者を代表して経済産業大臣政務官・小森卓郎の挨拶から始まった。小森は、企業活動や地域づくりにおけるアートの可能性に触れ、「日本では企業とアートの距離がまだ十分に縮まっていないが、150件を超える応募が集まったことは、その潜在力が可視化された証」と述べた。

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また企業とアーティストの共創を後押しするため、12月8日に「共創データベース(ART & BUSINESS PLAYERS FILE)」を公開したことにも触れ、今後新たな取り組みが生まれることへの期待を語った。

受賞各社の「共創」による成果

その後各カテゴリーの受賞企業・プロジェクト代表者へトロフィーを授与。各受賞企業の代表が壇上で、取り組みの背景や狙い、アートとの協働によって生まれた変化を発信した。

■各受賞企業よりコメント(一部抜粋)

コーポレート・ストラテジー部門
- カルチュア・コンビニエンス・クラブ「CCCアートラボ」

専務取締役 兼 CCCアートラボ事業本部長 増田宗禄(右)
専務取締役 兼 CCCアートラボ事業本部長 増田宗禄(右)

「CCCアートラボは2018年の設立以来、『アートのある生活』を掲げ、多角的な企画を通じて、お客様にアートをより身近に感じていただける環境づくりに取り組んできました。日本のアート市場は、世界全体の約1%規模にとどまっており、まだ大きな可能性が残されていると認識しています。自社だけでできることにとどまらず、さまざまなパートナーシップを通じて、アートの裾野を広げていきたいと考えています」

アートコラボレーション部門
- 太宰府天満宮「仮殿」

大宰府天満宮 宮司 西高辻󠄀信宏(右)、アドバイザリーボードの福武英明
大宰府天満宮 宮司 西高辻󠄀信宏(右)、アドバイザリーボードの福武英明

「太宰府天満宮は1100年以上の歴史を持つ神社ですが、現代アートとの共創を続けてきました。今回の仮殿プロジェクトでは、藤本壮介氏をはじめ多くのクリエイターと連携し、新たな価値を創出することができました。この取り組みにより参拝者も増え、地域にも大きな広がりが生まれています。今回の受賞を励みに、今後も多様な共創を通じて、神社と地域の可能性をさらに開いていきたいと考えています」

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文=ソーン・マヤ 写真=若原瑞昌

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