テクノロジー

2025.12.18 09:15

高校生のアイデアで売上倍増 伊勢のミルクスタンドが挑む超実践型マーケティング

プレスリリースより

プレスリリースより

伊勢神宮に通じる伊勢街道に面したミルクスタンドでは、ソフトクリーム自動製造ロボットが人気を呼んでいるが、このほど、ソフトクリームを買うと運勢を占ってもらえる「モーモーおみくじ」機能がロボットに追加された。じつはこの機能は、神奈川県の高校生が修学旅行で当地を訪れた際に実施されたマーケティング体験プログラムから生み出した新顧客体験だ。

advertisement

大正8年創業、日本最多の瓶入り乳製品ラインアップを誇る山村乳業の直営ミルクスタンド「山村みるくがっこう 内宮前店」が、かわいい牛型のソフトクリーム製造ロボット「モーモー」を導入すると、人件費を11パーセント削減しつつ、ソフトクリームの売り上げ個数を約2倍に伸ばす呼び物となった。だが同社は「店舗体験価値をさらに向上させたい」と考えた。

そこで、高校生が実社会の経営課題に挑む超実践型教育プログラム「MoG」を展開する認定NPO法人very50に話を持ちかけたところ、神奈川県の湘南学園高等学校の生徒たちがこれに応じた。彼らは修学旅行で伊勢を訪れた際に、アイデアの立案に挑戦。付近を歩いてリサーチを行い、「伊勢でどのような体験が魅力的か」を考え、また山村乳業の販売体験を通じて「瓶牛乳文化」や店舗が大切にしてきた体験価値を学んだ。

その結果、「非日常感」が体験価値を高めることに着目し、9つのアイデアを提出。検討の末、山村乳業はそのなかから「おみくじ」を採用し、ロボットの拡張機能としてこれを実装したというわけだ。高校生たちは、山村乳業のスタッフとアイデアの壁打ちを行った際、現実的な厳しい視点を突きつけられたときも「目を輝かせ、ビジネスの奥深さに興奮」していたという。

advertisement

おみくじは、大吉の上にさらに「超吉」を加えた8段階あり、モーモーがソフトクリームを客に手渡す際に、結果を発表し、「超吉〜! 大吉より上とか、もうチートやん。モーモーテンション爆上がりやで! おおきんな〜また寄ってな〜」などと伊勢弁で楽しいコメントをくれる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事