経済

2025.12.11 16:00

ラブブを超えて──中国の消費は「モノからサービス」へ、日本企業にも大きな商機か

レゴランド上海リゾート( VCG/VCG via Getty Images)

「金曜や土曜の夜、上海交響楽団のコンサートをよく鑑賞しているが、観客の80%が30歳未満の若者だ。もし私が米国やヨーロッパで全く同じコンサートに行けば、80%の人々は60歳以上で、その半分は20分以内に眠りに落ちているだろう」と彼は笑った。

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さらに、クエルチ氏は「博物館や重要なギャラリーにもチャンスがある。パリのオルセー美術館は先日、上海で展覧会を開催し、大きな成功を収めたばかりだ。中国人は西洋文化に対して大きな受容性と関心を持っている」

若い層向けには、英国のマーリン・エンターテインメンツ社が7月、上海に新しくレゴランド上海リゾートをオープンし、観客を獲得することに成功しているとクエルチ氏は付け加えた。一方、中国で最も訪問者の多いテーマパークである上海ディズニーリゾートは今月、4つ目のテーマホテルの計画を発表した。

確かに、中国の消費者は依然として工場で生産された商品を購入している。最近のラブブ人形のブームが、その証拠だ。また、社会保障制度が十分に整備されていないため、消費支出を制限する中国の貯蓄率は比較的高いままだろうとクエルチ氏は言う。

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さらに、同国は「環境の持続可能性が重視されなかった20世紀と比べ、より資源が制約された21世紀において、GDPに占める消費の割合に重点を置く西洋の経済発展モデルが、本当に適切なモデルかどうか」という問題に取り組んでいるとクエルチ氏は述べた。

「だからこそ私は、消費には良い消費、すなわち質の高い消費と質の低い消費があると私はいつも指摘している。そして質の高い消費とは、比較的に二酸化炭素排出量を悪化させない消費のことだ」と彼は言う。消費者に影響を与える可能性のある貿易と地政学的な摩擦も、すぐには解消しそうにない。

しかし最終的には、「中国がインフラ投資主導の経済から次の発展段階へと移行するにつれて、GDPのより高い割合を消費から得る必要がある」とクエルチ氏は述べた。

その過程で、サービスへの消費支出の増加は「西側企業にとって大きなチャンスを提供する」と彼は言う。

これは、世界の多くの場所でよく聞かれるメッセージや強調点とは、異なるものだ。

forbes.com 原文

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