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2025.12.15 09:15

ほぼ全員がAIリスキリングの成果を実感 業務時間短縮や企画力向上など

Getty Images

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新たな技能を習得するリスキリングのなかでも、生成AIを使いこなすためのトレーニングを受講した人たちのほぼ全員が、業務において成果を実感していることが調査によってわかった。

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あらゆる人のスキルアップを目指して、国、自治体、企業など250以上の団体が構成する「日本リスキリングコンソーシアム」は、同コンソーシアム会員登録者のうちAI関連講座を受講し、生成AIツールを業務で活用している1743人を対象に実態調査を行った。それによると、受講した成果が実感できている人の割合は、「期待以上」と「ある程度」をあわせて95.7パーセントにのぼった。

具体的な効果を聞くと、もっとも多いのが業務時間の短縮と効率化だった。続いて生産性の向上、新たなアイデア創出や企画力の向上などがあげられた。

実際にどのような業務に活用しているかを尋ねると、文章の作成・編集・要約、情報収集と調査、アイデア出しなどがトップ3となった。

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またリスキリングの成果を実感している人たちに、受講した内容の何が役に立っているか、その貢献度を尋ねた。自由回答で聞いたものを分類した結果、もっとも多いのがプロンプトスキルの向上だった。

受講者の意見から、さらに具体的な成果がわかる。四国エレベータでファイナンスと労務管理を担当する日田将也氏は、AIを体系的に学ぶことで業務に活かせるようになり、生成AIとノーコードツールで勤怠管理システムを構築。データを会計ソフトと連携できるようにしたことで、職人たちの現場への直行直帰も可能にしたという。

オイシックス・ラ・大地の前田有香氏は、プロンプトを明確に入力できるようになり、企画書作成でAIを壁打ち相手として、苦手だったマーケティング視点での提案が可能になった。また作業効率が「体感で50パーセントほど」上がったと話している。

食品製造企業の商品開発部に所属するN氏は、3〜4時間かかっていた情報収集を、プロンプトの質を改善する意識が高まったことで30分に短縮できた。それまで見つけられなかった取引先を発見したり、提案頻度が増加したりと、「仕事のスピード感が劇的に向上」した。その成果が評価されてグループマネージャーへの昇格が決まったそうだ。

これらの人たちに共通しているのは、生成AIを体系的に理解することで活用の質を高めている点だ。そこが、独学では難しいところなのかもしれない。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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