アート

2025.12.11 13:15

儲かればプレイヤーが増える 「MEET YOUR ART」が目指す業界トップの姿

「儲けたい」と言い切る理由

アワードのエントリー企業のなかでも、同社は事業戦略や成果の記載が明快だった。それは、アート事業に参入してはすぐ撤退するプレイヤーが後を絶たないなかで、ビジネスとして「成功モデルをつくる」という覚悟のようにも写る。

「膨大な利益を上げたいわけではないんですけど、しっかり儲けたいなとは思っています。儲かってますかって聞かれたら、結構儲かりますよ、って言いたい。そうすれば追随するプレイヤーが出てくる。僕たちみたいに腹を決めてぶん回すプレイヤーがあと何組か出るだけで、業界の盛り上がりも経済規模も上昇していく。その先頭を走っていたい」(加藤)

課題は、社内外ともに人材にあるという。例えば、MEET YOUR ARTを手がけるコアチームは現在5、6人ほど。その少人数で5万人規模のフェスティバルや50社以上との協業を行っている。「採用はスタートアップ共通の課題だと思いますが、アートと新しい視点を掛け合わせて最大化していくという我々二人のビジョンについてこれる人でないと難しい」と加藤。

重ねて、「関係人口を増やしていきたい」と古後。影響力のあるキュレーターによって、業界全体が大きく変わることもある。そういう人材を発掘し、協業したり、場合によっては育成していくこともありえる。それもこれも、持続的な業界変革のためだ。

「アートに取り組もうとする企業や地域の方はすごく多い。でも目に見える社会的インパクトやそのデータがまだ足りない。地方の芸術祭も、行政の担当が変わったら2〜3年で終わってしまうことがある。私たちがプラットフォームとして協働し、効果測定を重ねていけば、継続的に社会的インパクトも拡大していけると思っています」

文=青山鼓 写真=山田大輔 編集=鈴木奈央

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