認知の性質について、カラスの知能が教えてくれること
科学者から見ると、カラスの知能は、複雑な認知の進化に関する長年の考え方に疑義を呈するものだ。従来、動物の中で最も「賢い」のは、脳の大きな哺乳類(霊長類、イルカ、ゾウなど)と考えられていた。だが、カラスの知能は、まったく異なる神経学的な道をたどって進化した。
この意味で、カラスの知能の研究は、以下のことを理解する助けになるかもしれない。
・記憶システムが進化する仕組み
・社会的行動が認知を促進する仕組み
・異なる脳構造が、似通った知能を生み出し得る仕組み
・動物が意図を推測し、長期にわたる関連づけをする仕組み
そんなわけで、朝の散歩中にカラスと出くわしたら、そのカラスはあなたを信用するかどうかをすでに決めている可能性が高い。そして、カラスがまだ決めていない場合、あなたはいつでも、カラスにとっての第一印象を提供する可能性がある。
カラスは注視している。記憶している。だが、理解もしている――あなたが何者か、何をしたか、自分たちにとって問題かどうかを。
あなたが幸運に恵まれれば、いつの日か、きらきら光る贈りものを届けてもらえるかもしれない。


