賛同する大企業
Virgin(ヴァージン)やHSBC、GCHQ、Randstad Enterprise、Cisco(シスコ)といった大企業が前述の報告書を支持し、企業や政府、教育者にディスレクシア的思考をスキルとして評価するよう呼びかけている。
シスコの最高人事責任者ケリー・ジョーンズは「優れた企業文化がビジネスに与える影響を認識しており、ディスレクシアやその他の発達障害や学習障害を持つコミュニティを含む、あらゆる背景を持つ人を当社は積極的に支援している」と話す。「当社の前CEOのジョン・チェンバースはディスレクシアで、従業員の20%以上がディスレクシアだと自認している。ディスレクシア的思考を持つ人材がチームを強化し、イノベーションを加速させる様子を我々は目の当たりにしてきた」。
だが採用・人材育成プロセスの改善が進む中でも、多くの組織は依然として伝統的な指標を優先している。磨き上げられた履歴書や階段を上るようなキャリア、試験のスコアなどだ。これらは何の気なしにディスレクシアの人材を排除する。こうした手法は順応性や完璧さを評価し、創造性や潜在能力を見逃す。採用担当者のためのディスレクシアに特化したトレーニングや暗記ではなく現実の問題解決に焦点を当てた面接、非凡な人材への扉を開く細かな調整など、実践的なステップが決定的な差を生む。
AIでディスレクシアの人材を発掘
雇用主が従業員の持つ独自の強みを理解するのにAIを活用することもできる。シスコはすでにこれを模索しており、初期結果ではAIが気づかれにくいスキルや働き方を浮き彫りにし、従業員が最も貢献できる役職への配置を支援できることが示されている。
「職場に合わせるために自分を変える必要はない」とジョーンズは言う。「全ての従業員は独自の認知プロファイルを持っている。思考の仕方そのものが評価されていると感じると、人は最高のアイデアを出し、組織全体が恩恵を受ける」。
Made By DyslexiaはRandstadと提携して、組織が行動を起こせるようインタラクティブな無料の職場ガイドを作成した。また、来年は全米でディスレクシア的思考を促進するイベントを開催する予定だ。Made By Dyslexiaのグリッグスは「ディスレクシア的思考をあえて活用しない組織などあるだろうか、というのは何兆ドルもの価値がある問いだろう」と話す。


