「もっといい方法があるかもしれない」
この思いに、心当たりはないでしょうか。
知人に勧められた英会話教室に通い始めたとします。
しかし「もっと上達したい」と思い、学習方法を調べ始めると、オンライン英会話、アプリ学習、多読、シャドーイング、瞬間英作文など、無数の方法があることを知ります。
それぞれの方法には熱心な支持者がいて、「これが最高だ」と主張しています。
体験談を読めば、どれも効果があるように見える。
でも同時に、「この方法では上達しなかった」という否定的な意見も目にします。
そうやって情報を集めるうちに、最初の「英会話教室に通う」というシンプルな計画は、複雑な選択問題に変わってしまいます。
この状態になると、脳は「完璧な選択」を求めるようになってしまいます。
「せっかく時間をかけて調べたのだから、最も効率的で、最も確実で、最も自分に合った方法を選ばなければ」と思ってしまうのです。
完璧を求めて延々と情報を集め続けてしまう
でも「完璧な選択」なんて、実際には存在しません。
どの方法にもメリットとデメリットがあり、人によって合う、合わないがあります。
それなのに、完璧を求めて延々と情報を集め続けてしまうのです。
なぜ、このような現象が起きてしまうのでしょうか?
この「完璧な選択でなければ動かない」という思考は、現代ではしばしば逆効果になります。
心理学の研究でも、完璧主義の傾向が強い人ほど行動開始を遅らせ、失敗を恐れて挑戦を避けることが明らかになっています。
さらに、完璧主義は「先延ばし」とも深く関連しており、「まだ準備が足りない」「もう少し整ってから」と考えるあまり、一歩を踏み出せなくなってしまうのです。


