年間で最大の流星群である「ふたご座流星群」の活動が12月4日に始まった。北半球から観測しやすいこの流星群は、澄んだ暗い空でなら1時間に最大120個の流れ星が出現する可能性があるにもかかわらず、天文ファンに見過ごされがちだ。
米国流星学会(AMS)によれば、2025年のふたご座流星群の活動は12月4日(木)から17日(水)まで続き、最も多くの流星が流れる極大夜は米国時間で13日(土)夜~14日(日)明け方となる。(編集部注:日本からは、国立天文台によると13日夜~14日明け方と、14日夜~15日明け方の2夜が見ごろになりそうだとのこと)
活動期間中は、晴れた夜ならいつでも流れ星を見られるチャンスはあるが、極大夜のほうがはるかに観測しやすい。
ふたご座流星群は、明るく色彩豊かな流れ星で知られている。極大時には月明かりのない夜空でなら1時間あたり最大120個の流星が出現する。2025年12月14日は月が午前2時頃まで昇ってこないため、観測条件は比較的良い。
母天体は小惑星
ふたご座流星群の流星物質はすべて、地球近傍小惑星フェートン(ファエトン:3200 Phaethon)の塵や破片だ。彗星以外の天体を母天体とする流星群は、主要な流星群では数少ない。フェートンは524日周期で太陽を公転しており、その破片の帯を地球の軌道が横切る際に、地球の大気に突入した破片が流星となる。
1833年にミシシッピ川で初観測
米ミズーリ州天然資源局によれば、ふたご座流星群は1833年にミシシッピ川を航行する船の船長によって初めて目撃・報告された。その後、1862年に米国と英国の天文学者によって正式に観測された。
ミズーリ州では発見を記念してふたご座流星群の観望会を開催しており、今年は12月13日夜に州内3カ所の州立公園(エレファントロックス、ロアリングリバー、ベネットスプリング)で開かれる。
冬の流星群たち
2025年12月に観測できる流星群は、ふたご座流星群だけではない。12月22日の冬至の晩から翌明け方にかけて、「こぐま座流星群」が控えめながら極大夜を迎える。さらに、年明け1月3日~4日には「しぶんぎ座流星群」が極大を迎え、冬の流星群シーズンは幕を閉じる。



