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2025.12.06 09:30

ベンチャーキャピタリスト「本田圭佑」、AI搭載ヒューマノイドと核融合に投資

Shutterstock.com

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20年にわたるサッカー選手としてのキャリアのなかで、本田圭佑はクラブでも日本代表でも、万能なミッドフィルダーとして活躍してきた。母国である日本に加え、オランダ、ロシア、イタリアなど、世界各地の有力クラブでプレーしてきた。現在39歳の本田は、ベンチャーキャピタル(VC)ファームであるX&KSKを通じて、ベンチャーキャピタリストとしての新たな道を切り開いている。同社は2024年に立ち上げられ、今年1月に実施した直近の資金調達では、三井住友銀行やSBIホールディングスといった優良な投資家から約153億円を集めた。

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ベンチャーキャピタリストとしての本田は、ピッチ上でのプレーと同様の万能さを見せている。投資先は主に日本に焦点を当てているが、関心を寄せる業界は幅広い。本田は最近、ジャカルタで開催されたForbes Global CEO Conferenceの場で、あまり表に出ることのない自らのファームとその投資戦略について、フォーブスに語った。

X&KSKのポートフォリオのなかでも最もエキサイティングな企業の一つとして、今月中にも明らかにされる見込みなのが、日本のヒューマノイド(人型ロボット)に特化したロボット系スタートアップだ。「彼らはUnitreeと競合することになるでしょう」と本田は話す。同スタートアップは現在ステルスモードにあり、近く発表される見通しの「大きな」資金調達ラウンドを投資家から行っているところだ。

AIを搭載した人間のようなロボットであるヒューマノイドは、AIの広範な普及を背景に、投資家にとってのお気に入り分野となっている。例えば、上海市場に上場するOrbbecの株価は今年約80%上昇し、創業者兼CEOのハワード・ホアンは9月にビリオネア(資産10億ドル以上の富豪)の仲間入りを果たした。

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そのほかの大規模な投資案件としては、サムスン電子が昨年、Rainbow Roboticsの経営権を約1億8000万ドル(約279億円)で取得した案件や、Doosan Groupの協働ロボット部門であるDoosan Roboticsが2023年の新規株式公開(IPO)で3億1200万ドル(約484億円)を調達した案件などがある。このDoosan RoboticsのIPOは、その年の韓国で最大の上場となった。

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翻訳=酒匂寛

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