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2025.12.06 09:30

ベンチャーキャピタリスト「本田圭佑」、AI搭載ヒューマノイドと核融合に投資

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本田が支援する別の未公開のAI関連ポートフォリオ企業は、核融合分野で事業を展開している。この投資は、アルファベット(グーグルの親会社)やマイクロソフトといった世界の巨大テック企業が、自社のAIデータセンターによる電力需要の急増を埋め合わせる解決策として原子力エネルギーをますます模索し始めているタイミングで行われたものだ。

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X&KSKが出資する核融合スタートアップは、より一般的なトカマク型とは異なるアプローチとしてヘリカル型を採用していると、本田は説明する。いずれの方式も、磁場を用いて極めて高温のプラズマを閉じ込め、原子同士を融合させるという点では共通している。決定的な違いは、ヘリカル型が外側に配置したねじれたコイルだけを用いるのに対し、トカマク型の設計ではプラズマに強い電流を流す必要がある点にある。

「ヘリカル型は本当に長い長い間研究されてきていて、実際ここ最近はすばらしい研究開発が数多く行われています」と本田は語る。「しかし、政治的な理由から、それが既存の方式を置き換えるのは簡単ではないと思います」

こうしたハードルはあるものの、本田は日本においてヘリカル型に「巨大なポテンシャル」があると見ている。2011年の壊滅的な原発事故(チェルノブイリ以来最悪の事故)以降、日本は徐々に原子力発電へ回帰しつつある。最近では、新潟県にある世界最大の原子力発電所である東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を政府が認可した。加えて、北海道にある原子力発電所も、地元自治体の同意を得て稼働再開に近づいている。

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ポートフォリオ企業の名前を公に明かせるようになれば、本田は自らのもう一つの資産、すなわち彼自身の名前と知名度を生かす考えだ。Instagramで約100万人、Xで160万人のフォロワーを抱える本田は、「サッカーに興味がない人でさえ、僕のことを知ってくれています」と話す。「起業家の多くは、マーケティング面での効果を期待して、私に自分たちの会社に投資してほしいと考えているんです」

本田は、自身のVCとしてのアプローチを「ブランデッド・キャピタル(branded capital)」と呼んでいる。このモデルでは、同社は金融資本とブランディング支援の両方を提供する。「優れた起業家の方は金銭へのアクセスには困っておらず、常に投資家を選べる立場にあります」と彼は説明する。「だからこそ、マーケティングが今日の起業家にとって非常に重要である以上、ブランデッド・キャピタルには大きなアドバンテージがあるのです」

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本田圭佑、日本人起業家向け新ファンド 「国内スタートアップ界に危機感」

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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