旅行テック企業AirHelp(エアヘルプ)が、世界の航空会社をランク付けした年次報告書を発表した。定時運航率、顧客評価、クレーム処理をもとにしたものだ。
2026年を間近に控えた今こそは、航空会社の過去1年間の実績を振り返る絶好のタイミングだ。航空会社について乗客が何よりも重視すべきポイントとしては、フライトは時間通りに運航したか、乗客はサービスをどう評価したか、多数の乗客(とその荷物)を乗せて世界を飛び回る際に否応なしに発生する問題にどう対処したか、といったことが挙げられる。
エアヘルプによる世界の航空会社ランキングは、米Forbesの2025年「Verified Air Travel Awards」に続いて発表された。エアヘルプは、フライトの遅延や欠航に遭遇した乗客に代わって航空会社に補償金を請求する旅行テック企業で、乗客の権利擁護組織としては世界最大規模を誇る。
エアヘルプはランキングの決定にあたって、複数のデータソースを組み合わせ、航空機利用者が、各社のパフォーマンスを総合的に判断できるよう10点満点で評価した。各航空会社のスコアは定時運航率、顧客評価、クレーム処理の各項目を均等に考慮して算出。データの分析対象期間は、2024年10月1日から2025年9月30日までの1年間だった。
世界トップの航空会社
エアヘルプが2025年ランキングで1位に選出したのはカタール航空だ。2018年から2023年にかけて連続で1位を獲得して以来の返り咲きとなった。定時運航率は10位、クレーム処理は15位と不調だったが、顧客評価ですべての航空会社を大きく引き離し、9.1ポイントを獲得した。
続く2位も、中東系の航空会社であるエティハド航空(本拠地はUAEのアブダビ)、僅差の3位はヴァージンアトランティック航空(英国)だ。
珍しいことに、トップ10の顔ぶれには、米Forbesトラベルガイドの航空会社ランキングで1位に輝いたエミレーツ航空(本拠地はUAEのドバイ)の名前は見られない。エミレーツ航空は、エアヘルプのランキングでは16位で、ブリティッシュ・エアウェイズ(英国)の1つ上で終わった。



