宇宙

2025.12.01 13:00

12月の「コールドムーン」 2025年最後にして2番目に大きく、最も天高く昇る満月を見よう

イタリア中部カラーショにある城砦ロッカ・カラーショの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2024年12月16日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

イタリア中部カラーショにある城砦ロッカ・カラーショの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2024年12月16日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

北半球が秋を迎えてから3回目にして2025年最後の満月である「コールドムーン(寒月)」が、12月5日(金)に昇ってくる。北米先住民の農事暦に基づくこの呼称は、この時期の厳しい寒さに由来する。

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このコールドムーンは、今年2番目に大きいスーパームーンだ。そして2025年を締めくくり、2026年の幕開けを飾る計4つのスーパームーンのうち、3番目に大きい。また、今年最も天高く昇る満月でもある。

2025年のコールドムーン、知っておきたいポイント

満月の瞬間「望」の時刻は、日本時間5日午後10時19分。最大の見ごろは夕暮れ時、月の出の瞬間である。沈む夕日と入れ替わるように、東の地平線に顔を出す。

天文情報サイトEarthSkyによれば、12月の満月にはコールドムーンの他、「ロングナイトムーン(長夜の月)」や「ムーンビフォアユール(ユール前の月)」などの呼び名がある。ユールは古英語で「冬至祭」を意味する言葉で、転じてクリスマス(の季節)を指す。

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今年のコールドムーンは連続3回目のスーパームーンだ。月の公転軌道はわずかに楕円を描いていて、毎月、地球に最も接近する点(近地点)と最も遠ざかる点(遠地点)を通る。月が近地点を通過するタイミングと満月になる瞬間(望)が一致するか、間近い場合、月は夜空で大きく見える。これがスーパームーンと呼ばれている現象だ。今回のコールドムーンは、近地点通過の12時間後に望となる。

2025年の月の地心距離の変化と満月(国立天文台)
2025年の月の地心距離の変化と満月(国立天文台)

スーパームーンと呼ばれる月は、地球と月の平均距離(38万4472km)より10%以上地球に近いものとされている。2025年12月の満月は地球から35万7218kmの距離にあり、今年2番目に地球に近く、2番目に大きくて明るい。

さらに、コールドムーンは北半球では1年間で最も早い時間帯に昇り、最も南中高度の高い満月でもある。これは満月が地球から見て太陽と正反対の方向に位置し、月の高度と太陽の高度が連動しているために起こる現象だ。12月22日の冬至が近づくにつれて太陽の南中高度は低くなり、これと対照的に、満月は最も天高く輝くようになる。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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