宇宙

2025.12.01 13:00

12月の「コールドムーン」 2025年最後にして2番目に大きく、最も天高く昇る満月を見よう

イタリア中部カラーショにある城砦ロッカ・カラーショの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2024年12月16日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

コールドムーンの見ごろ

満月は、夕暮れ時に東の地平線から顔を出した瞬間が最も美しく見える。最高の月の出を観望するには、見晴らしの良い高所、東側の地平線・水平線が開けた平地や海岸へ行こう。また、自分のいる場所の月の出の時刻を前もって確認しておこう。(編集部注:国立天文台「各地のこよみ」やウェザーニュースの「月の出&月の入り時刻」などで確認できる)

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たとえば東京の場合、2025年12月5日の日の入りは午後4時28分、月の出は午後4時24分だ。

米アリゾナ州トゥーソン郊外にあるキットピーク国立天文台(KPNO)の口径4mメイヨール望遠鏡の背後に昇る満月。2022年撮影(M. Hunt/KPNO/NOIRLab/NSF/AURA)
米アリゾナ州トゥーソン郊外にあるキットピーク国立天文台(KPNO)の口径4mメイヨール望遠鏡の背後に昇る満月。2022年撮影(M. Hunt/KPNO/NOIRLab/NSF/AURA)

スーパームーンはなぜ大きく見える?

月の出の瞬間は、中天にあるときよりも月が大きく見える。これは「月の錯視(moon illusion)」といい、目の錯覚による現象である。スーパームーンの時は、この錯覚効果が最大になる。スーパームーンの満月は夜空でもとても大きく見えるが、実際の視直径は10%程度しか変わらない。

錯覚が起こる原因は、人間の脳が月とその近くに見える木々や建物、山などを比較して、月をより大きく感じてしまうからだといわれている。だがNASAによれば、科学的に十分に納得のいく説明はまだついていない。

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満月の距離の違い(国立天文台)
満月の距離の違い(国立天文台)

今年最期の満月

今回のコールドムーンは、2025年に12回ある満月の最後の1つだ。地球が太陽の周りを1周するのにかかる平均日数に基づく1年(太陽年)が約365.24日なのに対し、月の満ち欠けの周期(朔望月)を基準にした太陰暦の1年(太陰年)は約354.37日なので、暦上の1年間に満月が13回訪れることもある。直近では2023年がそうだった。次は2028年に13回目の満月を見ることができる。

今年12回の満月のうち、3回はスーパームーンで、2回は「ブラッドムーン(血色の月)」と呼ばれる皆既月食だった(1回目は3月13日~14日、2回目は9月7日~8日)。コールドムーンの次の満月は、2026年1月3日(土)の「ウルフムーン(狼月)」だ。年明け最初の満月であり、北半球では冬至を起点とする天文学上の「冬」の1つ目の満月となる。また、連続4回目にして最後のスーパームーンでもある。

皆既月食の「ブラッドムーン」。2025年3月14日撮影(Brucewaters, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)
皆既月食の「ブラッドムーン」。2025年3月14日撮影(Brucewaters, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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