米国時間11月28日、インテルの株価は約10%上昇し、過去1カ月の最高値をつけた。これは、同社とアップルの間で半導体分野の提携が進む可能性が「最近大幅に高まった」とするアナリストの報告を受けたものだ。
インテルの株価はこの日、10.3%高の40.56ドルで取引を終えた。
TFインターナショナル・セキュリティーズのアナリストであるミンチー・クオは、28日朝に発表した声明の中で、最新の調査結果は「インテルがアップルに対し先端半導体を供給する可能性が直近で大幅に高まったことを示している」と述べた。
クオによれば、アップルはインテルを活用し、自社製チップである低価格帯のM系プロセッサ(MacBook AirやiPad Proに搭載されるもの)を出荷する計画だという。
また彼は、インテルは今後数年にわたり競合であるTSMCに依然として後れを取ると指摘しつつも、アップルや他の「最上位ティア顧客」との契約によって、インテルの長期的な見通しが「より前向き」になり得ると述べた。
インテル株は年初来で102.3%の上昇を見せている。当時は20.22ドル前後で取引されていたが、これは現在の株価のほぼ半分である。
先日、TSMCは元上級副社長のウェイジェン・ローを相手取り、インテルへの企業秘密漏洩の疑いで提訴したが、それ以降もインテル株は着実に上昇している。ローはTSMCに21年間在籍した後、数カ月前にインテルに入社しており、インテル側はその疑いを否定している。TSMCの株価は、過去5営業日で5%高となっている。
かつて米国で最も価値のある半導体メーカーであったインテルは、AIブームの中でエヌビディアなど他の半導体企業に後れを取っている。インテルのリップブー・タンCEOは、2025年初めに開催された顧客向けのイベントで、インテルは「適応するのが遅すぎて、皆さんのニーズに応えられなかった」と述べ、TSMCやAMD、そして現在世界で最も価値のある企業となったエヌビディアに後れを取ったことを認めた。
インテルは半導体業界で競争力を取り戻すため、今年いくつもの契約を締結している。インテルは8月、米国政府が89億ドル(約1.4兆円。1ドル=156円換算)を投じて同社の株式の10%を取得したと発表した。これは、外国のサプライチェーンへの依存を減らし、国内製造業を強化しようとするトランプ大統領の方針を象徴するものだった。そのおよそ1カ月後、エヌビディアはAIインフラおよびコンピューティング製品の契約の一環として、50億ドル(約7800億円)相当のインテル株を取得すると発表した。



