お客様を大切にする、仲間を大切にする、そうした人間性を持った人でなければ、最終的に本当に良い仕事はできない。スターバックスらしい人にはなれないのです。
だからこそ、スターバックスのミッションを理解している人を教育していくことに意味があると思っていました。
たとえ今は、スキルが足りなかったとしても、それは後から身につけられるのです。そしてこの成長を支えてあげることが、リーダーの役割だと思います。
「to be good」であることができれば、もうマニュアルはいらないのです。自然にふるまっているだけで、スターバックスのミッションにかなっているのです。
『論語』に書かれている「心の欲するところに従えども矩をこえず」の境地に至るのです。
上を目指すなら、人間性をこそ高めよ
逆にいえば、リーダーとして上を目指していく人たちも、このマトリックスをぜひイメージしておいてほしいと思います。自分はどのゾーンに属するのか。あるいは、どこに属すると上司や部下に思われているのか。
重要なことは、スキル系だけいくら高めても、いずれ限界がやってくる、ということです。高めるべきは人間性であり、人間の徳とでもいうべきもの。人間性そのものをしっかり鍛えておくことが大切になるのです。
思えば日本の何十年も続く優良企業というのは、良くできた仕組みがあると感じます。例外ももちろんあるとは思いますが、長い時間をかけて競争をさせ、人材をふるいにかけていくのです。多くの人の目を通して、何かが足りない人材、おかしな人材は、ふるい落とされていく。
そして最後には、人格的にすばらしい人がきちんと上に進んでいくケースが多い。
「自分が社長になるなんて、思ってもみなかった」と社長が言うケースは少なくないのではないでしょうか。傍流を歩んで、苦労をしてきたという人も多い。
自分がなろうとするのではなく、まさに担ぎ上げられて社長になった。そういう人も意外に多いのです。
それはリーダーとして理想の形だと思います。
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