「働き方」や「ストレス」について考えるとき、「通勤時間」は案外見落とされがちです。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんの著書『有休取得率100%なのに平均年収が日本の1.7倍! ドイツ人の戦略的休み方』(大和出版)から、合理的なドイツ人の働き方について一部引用・再編集して紹介します。
ドイツ人は、何事も合理的に物事をとらえます。通勤時間は短く、出社したら朝早く仕事を始めて、早く家に帰るのもそのひとつ。そのため、集中力のある午前中に、頭を使う仕事に取りかかります。そして「有休=悪」ではなく、「休むことが人生で大事」ということも知っています。
ここでは、そんな生活を送るドイツ人女性についてご紹介します。
ノラさん(Noraさん 、40代。女性)、ミュンヘン在住。税理士事務所を経営、自宅兼オフィスで勤務。
ノラさんは2003年に大学を卒業し、弁護士事務所にアシスタントとして入ったあと、3年後の2006年に税理士の試験に合格。以降は同じ弁護士事務所の税理部門で2019年まで税理士として勤務。その後、税理士として独立しました。
ノラさんには、従業員時代の話を聞きました。
ノラさんの朝のルーティン
まず、ノラさんに会社員時代の1日のルーティンについて聞きました。
「基本的に勤務時間は朝の8時から午後5時までだった。たまに残業をして19時までオフィスにいたことも」。
そんなノラさんの朝のルーティンは、「7時に起床、サッとシャワーを浴びてコーヒーを飲む。7時30分に家を出て、近くの路面電車に乗って職場に向かう」というもの。
ノラさんが便利な場所に住んでいたとはいえ、通勤に時間がかからないのは、「ドイツの街の規模」とも関係しています。



