起業家

2025.11.30 18:00

すべての起業家が読むべき7冊──現場で戦い、成果を挙げてきた人物が手がけた書籍

Shutterstock.com

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年末シーズンが迫るなか、2026年はさらに大きな挑戦に踏み出そうとしている起業家もいるだろう。あるいは、まだ事業を始めてはいないものの、その1歩を後押ししてくれる刺激を探している人もいるかもしれない。書店に向かえば、そうした人たちに向けた数多くの書籍が並んでいる。

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ただ、残念ながら、その多くは出来が良くない。ありふれたアドバイスが並んでいるのみで自分の行動に落とし込める実践的な洞察に乏しいものが多い。そもそも、実際に事業を運営した経験がない書き手や、起業家と仕事をしたことすらない作家による著作も少なくない。

それでも例外はある。実際に現場で戦い、成果を挙げてきた人物が書いた、優れた書籍は確かに存在する。ここでは、起業家やスモールビジネスの経営者にふさわしい7冊を選んだ。ぜひ、年末の読書リストに加えてほしい。

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか

ベン・ホロウィッツ著

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著者のベン・ホロウィッツは、ベンチャーキャピタル(VC)アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者だ。彼は、数百社ものスタートアップや成長企業を支えてきた経験をこの書籍(原題:The Hard Thing About Hard Things)に記している。起業の現場では資金繰りが行き詰まることもあれば、信頼してきた社員を手放す決断を迫られることもある。ホロウィッツは、こうした誰も教えてくれない問題にどう向き合うべきかを、実務に根ざした視点から示している。厳しい現実を率直に描いた内容だが、ところどころにユーモアもあり、重さだけでは終わらない読み心地になっている。

失敗できる組織

エイミー・C・エドモンドソン著

起業家たちは、「失敗を受け入れろ」と繰り返しアドバイスされる。早く失敗し、数多く失敗することが成功への近道だという考え方が広く語られている。組織心理学の第一人者であるエドモンドソンは、この発想自体は間違っていないと認めつつも、すべての失敗が同じ価値を持つわけではないこと、そして多くの場合、「失敗からどのように学べばいいのかを私たちは理解していない」と指摘する。エドモンドソンは、こうした本質的な問題をこの書籍(原題:Right Kind of Wrong: Why Learning to Fail Can Teach Us to Thrive)にまとめた。

本書は、2023年の英フィナンシャル・タイムズ「ビジネス書大賞」を受賞した作品で、失敗の中からどのように意味のある学びを得るのかを具体的に示していく。単に「失敗を恐れるな」という精神論にとどまらず、失敗を実際の成長に結びつけるための考え方を、読者が自分の行動に落とし込めるよう導いてくれる1冊だ。

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翻訳=上田裕資

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