『執行長日記 THE DIARY OF A CEO』
スティーブン・バートレット著
スティーブン・バートレットは、ソーシャルメディア・マーケティングで成功した英国の起業家だ。2017年に始めたポッドキャスト番組Diary of a CEOの人気によって、世界的に広く知られる存在になった。この書籍(原題:The Diary of a CEO)には、同番組で語られてきた考え方やテーマをまとめている。バートレットの番組には著名なビジネスリーダーや各界の人物が数多く登場しており、彼らとの議論をかみ砕き、起業家が日々の判断に生かせる短い教訓として提示している。
サブタイトルとして「仕事と人生33最強法則(The 33 Laws of Business and Life)」を掲げており、どのような内容が並んでいるのかがある程度見えてくる。しかし、実際に読み進めると、コンパクトでありながら手応えのある示唆が随所に盛り込まれており、バートレットの思考のエッセンスが凝縮された1冊であることがわかる。
『ハーバードでは教えない実践経営学』
マーク・マコーマック著
スポーツマネジメント会社IMGの創業者として知られるマコーマックは、読み手を惹きつける語り口を持つ実務家だ。彼は、ビジネススクールでは学べない実践的な経営の知恵を、この書籍(原題:What They Don’t Teach You at Harvard Business School)にまとめている。
同書の内容は、時間管理の工夫から交渉の進め方まで、日々の経営に直結する考え方と手法などだ。ビジネス理論と現場のリアルの隔たりをどう埋めるかを、飾り気のない言葉で示している。MBAで語られがちな専門用語にうんざりしている人にこそ向いている内容といえる。マコーマックは続編『What They Still Don’t Teach You at Harvard Business School』(未邦訳)も著している。
『The Six-Minute Entrepreneur』(未邦訳)
サラ・デイビス著
サラ・デイビスは、手作りクラフトの関連ビジネスを大きく成長させて成功した起業家だ。米国の投資リアリティ番組『シャークタンク』の英国版とされるBBCの人気番組「Dragons' Den」に登場した史上最年少の女性投資家としても知られる。彼女は、起業を志しながらも日々の生活に追われ、思うように踏み出せない人に向けて、実務に根ざしたアドバイスをこの書籍(The Six-Minute Entrepreneur)にまとめている。
限られた時間の中で事業をどう立ち上げ、どう広げていくか。デイビスは、そのプロセスを無理なく進めるための考え方や具体的な手法を、地に足のついた言葉で示している。忙しさに流されがちな起業希望者にとって、現実的で実行しやすいヒントが詰まった1冊だ。
『0円副業のススメ 小さなアイデアが収入に変わる27日間マニュアル』
クリス・ギレボー著
クリス・ギレボーは、起業に関する著作で高い評価を得てきた作家だ。その著作には『常識からはみ出す生き方(原題:The Art of Non-Conformity)』、『1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法(原題:The $100 Startup)』などがある。
この『0円副業のススメ』(原題:Side Hustle)は、「本業は手放せないが、起業にも挑戦したい」「少しでも収入を増やしたい」という人向けだ。本業と並行して小さなビジネスを立ち上げ、無理なく運営していくための実践的なアドバイスが具体的に示されている。その取り組みがいずれ本業へと発展するかどうかにかかわらず、読者が小規模なビジネスを始めるための手順や考え方を、現実的で再現しやすい形で提示している。
『Small Giants [スモール・ジャイアンツ] 事業拡大以上の価値を見出した14の企業』
ボー・バーリンガム著
小規模ビジネスの経営者は、しばしば「より大きく成長せよ」と助言される。しかしジャーナリストのバーリンガムは、事業規模の拡大が必ずしも成功の証しではないことを、あらためて起業家に気づかせようとしている。彼は、この書籍(原題:Small Giants)で、単に収益の最大化を目指すのではなく、卓越した顧客サービスの実現や地域社会への深い関わりなど、独自の価値を追求した14の企業を取り上げている。「事業規模の大きさだけが優れた企業を決めるわけではない」という事実を思い出させてくれる1冊だ。


