リーダーシップ

2025.12.17 10:15

平均年齢は26歳yutori社長の「従業員へのダメ出し」手法

2023年12月に当時30歳で東京証券取引所グロース市場へ上場し、「アパレル企業史上最年少上場」と話題になったyutoriの片石貴展社長。片石さんがどのように社員とコミュニケーションを取っているのか、著書『若者帝国 好きな人たちと、好きなことに熱狂して働く』(KADOKAWA)より、一部抜粋してお届けする。

advertisement

徹底的に人を見て、「優しい、強い、面白い」を重視して採用する真意は、yutoriでは働く一人ひとりを「会社のパーツ」として捉えない点にある。

人を管理目線で捉えるのではなく、本人も意識していない可能性を引き出すために採用する。だから、当然面接でも表面的な志望動機や自己PRなどの話はほぼしない。でも、もし一般の企業が、yutoriが行っているレベル感で人をじっくり見て採用していないのなら、それははっきりいって、ひとりの人間に対する尊厳の軽視ではないかと僕は思っている。

あくまで生身の人間であり、決して会社のパーツではない

以前、株式会社スタジオジブリのドキュメンタリー番組で、宮崎駿さんが職場でラーメンをつくったり、当番制でスタッフみんなが夜食をつくって食べたりしている様子が映されていた。アニメーション映画の制作現場も過酷な環境だと推察するが、そうしたなかでも人間らしさや温かみのある職場ができあがっていて、とてもいいなと思った。

advertisement

そこに存在するのはあくまで生身の人間であり、決して会社のパーツではない。それぞれの人には、抱える悩みや葛藤があり、背景となる様々な人生のストーリーがある。そんな人と人が、偶然にも仕事を通して同じ場所に行き着き、そこで支え合い、助け合いながらひとつの神話を信じている。

その誇らしさのような感覚が、そのドキュメンタリー番組からも伝わってきたし、ジブリがプロデュースした多くの作品からも、それは伝わっているはずだ。

次ページ > 働く人をリスペクトしない企業は淘汰される

文=片石貴展/yutori社長

タグ:

連載

30 UNDER 30 2019

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事